HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

1月9日 いること

今日は本を返す日。図書館までやってきた。

沢山貼り付けた付箋の数から、「こんなに自分に響いていたんだな」と改めて実感。

 

東畑開人さんの『居るのはつらいよ』、

言葉にするのはちょっと難しいのだけれど、

「そうか、そうか、そうなんだよな、そうだよな、うん、うん」と何度も思った。

 

居ることが辛いと思ったことはあるだろうか?

22年の夏に転職をした僕は、なかなか居心地の悪さを感じていて、この本を取った。

よく、「新卒はポテンシャル、中途は即戦力」と言われる。

そりゃあ、もらえる給料が全然違うから、対価に見合う労働は基本のキかもしれない。

 

「僕自身がいることの価値」というより「僕自身がすることの価値」に目が向けられるのだなぁと。同時に、これまで自分も周りの人に対して、存在意義をその人がすること・成し遂げることにしか目がいっていなかったなぁと。

 

でも家族に対しては違うよね。

ただそこに居るだけでよい、だから無条件で自分をオープンにできると思う。

東畑さんの言葉を使えば「こらだ」をお互いに触れる状態。

 

何かの動作による作用が自分の内側で働く「中動態」。

生まれるとか、座っているとか、気に掛けるとか。

なんとくなく生じてしまうもの。

良く分からないけど、なぜか毎回起きてしまうもの、でもそれがちゃんと機能しているものって、家族とかだと結構あるなぁと思う。

 

中動態があることは良いコミュニティだということもできるかもだし、

良いコミュニティには中動態がある、ともいえるかもしれない。

 

今所属する会社だけにとどまらず、ほぼ100%の会社がそうだと思うが、ただいることでありがたい、という発想って、この変化も競争も激しい世の中では、なかなか生まれないよなぁと思う。新卒に対してならまだしも、中途に対しては絶対にありえない。

 

そういうところからこぼれ落ちてしまっている人しかり、世の中のマイノリティに属している人々は、むしろ居ることを否定されているような気持ちもすると思う。そういう人をケアしてくれる人たちはいるけど、ケアしてくれる人たちにも、ケアをしてくれる人が必要だよね。

 

だから僕は、今の職場で「すること」を求められつつも、人材の流動性が激しい場所だからこそ、だれかの「いること」を大切にしてあげたいなと思う。そして、そんな自分もケアされないとやっていけないよなぁ、ということにも正直になろうと思う。