HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

5月28日 小説を読む理由

日曜日、

 

この土日は、繁忙期を終えたこともあって、少し小説に時間を割いた。普段であれば、ビジネス書やポッドキャストを聞いている時間を小説に触れる時間に充てることで、久々に充足感を得ることが出来た。

 

僕はカラフルな発色、色々な色が混在して一緒に一つのキャンパスの中でそれぞれが自分の彩を表現している、そんな感じのカラーリングやデザインに心を惹かれる。一方で、言葉で言ってしまえば一つの色に属するんだけど、薄いものから濃いものまで、何通りの色が一緒に存在している、そんな絵やデザインにも心惹かれる。例えば、青がモチーフの絵だったとしても、その青の中に漆黒に近い青もあれば、青空のような抜ける青さもある、そんなようなものが好きだ。

 

自分でもはっきりとは分からないけど、恐らくそこには理由が二つある。

一つは、自分自身そういうカラフルな発色の洋服を身に着けることがないからだ。もう少し解像度をあげていうと、いろんな色が入った洋服は僕には似合わないと思うからだ。だいたい僕は、いつも頭からつま先まで真っ黒の衣装を身に着けていることが多い。自分の容姿に全く自身がないから、っていうのもある。だから、自分で表現できないそんなカラフルな発色を表現したものに心惹かれる。

 

もう一つは、カラフルって何にも当てはまらないと思うから。

 

ちょっと僕の個人的な話をする。

僕は、世の中にある美しいものがとても好きだし、魅了される。あ、なんて美しいんだろうって思う。そこには、男女の区別とかは特にない。

ストンと整えられた黒髪、鍛えられた筋肉、筋が通った鼻、ピアニストの指先、眼鏡と肌の色のコントラスト、伸びた姿勢などなど。そして、これは別に人以外でもそうで、整った庭園も好きだし、全く手入れをされていない野原も美しいと思う。

そして、可愛い触感が好きだったりもする。動物のやわらかさ、プチプチシールのぷにぷに感、シフォンケーキのフワフワ感。

 

一方で、世の中の人が性的に興奮するっていうようなものに対して、それを性的に興奮するって思えないっていう部分がある。そういう感情をあまり抱かない。

 

だからだろう。僕は高校は男子校だったのだけれど、あの男子特有の猥談が全く理解できなかった。何が面白いのかさっぱり分からなかった。

一方で、女子が男子に向ける冷ややかな目線や陰口

「絶対見てるよね、あいつ」

みたいなことも、全く分からなかった。

 

僕は、幼少期にかなり太っていて、そこからダイエットしたこともあって、骨太&背が比較的高いから、割とそういう風に言われがちなところもあった。

あなたのことをそういう風に見ているんじゃなくて、あなたの前髪の整い具合が美しいと思っている、ただそれだけなのに。

 

こういう感じだから、若い男女が集まるサークルみたいなものが窮屈で仕方がなくて、インカレに入った。しかもそのインカレも、男女とかそういうのではなくて、自分たちの知識や能力で、どうやって途上国の持続的な開発ができるか、みたいな感じだったから、そこに男女の区別も全くなかった。どちらかというと、こういう分野って女性の方が多かったりするしね。

 

社会人になって最初に入った会社は、とっても良い会社だったけど、創業200年レベルのドメスティックにもほどがある会社だった。だいたいみんな終身雇用で、ファミリー的な雰囲気、本社も地方だし、やっぱり昔ながらの価値観みたいなのが蔓延っていて、窮屈になってしまった。

 

今の会社は、なかば社員の半分が日本人ではないみたいな、本当にダイバーシティを文字通り体現したようなところで、その意味ではすごく楽。まあ激務なんだけど。

 

もう分かっているんだけど、僕ってマイノリティに属するんだと思う。だから、世の中のビジネスが、世の中の大半を占めるメインストリームの消費者を相手にしていて、その中で生きていると、本当に自分って誰?ってなってしまう。

同時に、どうせ生きづらいって思ったことない人ばかりなんだろう、って捻くれてしまうこともある。

 

でも、小説を読むと、市井の人々の中にも多様性が実は広がっていて、そこにはThe 王道みたいな生き方、考え方、価値観、静的嗜好、人生設計、みたいなところに、どうしてもついていけない人が沢山出てきて、1人じゃないって思える。

そう思うと、肩ひじはらなくなるし、同時に周りにも優しくなれる。まあ、傷つきやすくなる感じはあるけどね。

 

僕が大学受験の時に、経済とか法とか経営とか、そういうところじゃなくて、自然と文化構想とか文学とか、そういう学部ばかり受けて、結局その方向で学んだっていうのも、今になるとなんか分かる気がした。

 

この土日、小説に触れて、やっぱり好きって思った。