火曜日、

ちょっとお買い物を頼まれて、夕方護国寺を訪問。この辺り、とても懐かしい。
護国寺駅から目と鼻の先にはジュンク堂本店があり、大学生の頃は良く通ったものである。
今は内装が変わってしまって見えないのだが、当時は一番上の8階の一番奥の窓から、スカイツリーが見えたものだ。池袋という雑多な場所にも関わらず、上空には美しい景色が広がっている。そんな印象がある街。それが僕にとっての池袋、というよりも東池袋エリアである。
もしかしたら、それも影響しているのかもしれない。
時刻はまだ午後5時半。帰る前にジュンク堂に立ち寄ろうと思い、護国寺駅から歩く。地下鉄の駅としては2駅あるのだけど、徒歩10分くらいで着くのだ。
その時に通るのが雑司が谷霊園である。墓地好きの僕にとっては大好きなスポットである。
久々の雑司が谷霊園。もう日が暮れていたことや、だいぶ寒かったことも影響して、人はあまりいなかった。だから、逆に通行人同士が、互いに目配せしているような、そんな雰囲気もあった。
ゆっくりと歩いていくと、右手に自転車に跨って上を見上げている女性がいる。うーん、30代前半くらい?かな。彼女が見上げている先には満月がある。
夜と夕方の間の時間。そして風が吹いていて空気が乾燥している。非常にきれいな月が見えているのだ。
月の隣には、ここ数年前に建てられたタワマンが聳え立っており、窓からは光が漏れている。もっと向こうにはサンシャインが煌煌と光を放っている。
この月の自然は光と、ビルが放つ人工的な光のコントラストが、たまらない。
そして、彼女の自転車から2メートル先くらいには、丸々と太った(多分本当は太っていなくて、冬毛になっているだけだと思うけど)白い猫がふてぶてしくこちらを睨んでいる。
ああ、これだわ。生きてるって感じがした。
彼女はまだ自転車に跨って止まっていた。どうやら写真を撮っているようだ。
なんという偶然なのだろう。ここは、「月が綺麗ですね」を「I love you」という英語に訳した夏目漱石の墓がある場所なのだ。
さすがに話しかけるわけには行かなかったけど、僕はこの時、「月が綺麗ですね」は、I love youじゃないかもと思った。
この光のコントラストと、月とビルと墓地と猫、この関係性を考えると、「明日も頑張ろう(Let's keep going tomorrow)」もしくは「それでも人生は続いていくんだ(still, life goes on)」じゃないかなーと思った。
こういう社会で僕らは生きていくのだ、と改めて感じた。
明日も頑張ろう