日曜日、

僕にとっては、共に頑張る同士のような存在なのかもしれない。改めてそう感じたエピソードを紹介したい。
僕が月1回通っている美容室。髪の毛の量が多く、すぐ伸びる剛毛の僕にとって、美容室選びは簡単ではない。社会人3年目くらいまでは、帰省に合わせて地元の美容室に通っていたけれど、仕事が忙しくなりなかなか帰れないようになったことがきっかけで、都内で髪を切るようになった。
美容室のあの独特の雰囲気が、僕はあまり好きではない。本当は人見知りなのに、話を続けようとするヘアスタイリスト。隣の人の話の内容が嫌でも入ってきてしまうあの距離感。古参と新参者の間にある溝。気持ちよくなるために行く場所が、僕にとっては結構なストレスフルな時間・空間であった。
だから、新しい美容室選びには時間をかけた覚えがある。できれば、静かな空間が良い。できれば、個室スタイルが良い。そしてもちろん、癖のある僕の髪を上手に扱ってくれる人がいい。リクエストだらけだ。
そんな中で見つけたのが今の美容室だった。後になって分かったことだが、店長は僕の1個下。北海道から上京して下積み時代を経て、独立したのである。僕が通い始めた時は、独立1年目の時だった。
静かに施術することをポリシーにしていることもあって、同じ時間の予約は2人まで。そしてほとんどの客が基本は喋らない。何という居心地の良さだろう。一気に惚れこんでしまい、ここに通うことにしたのだ。
歳が近いこと、お喋りがそこまで得意じゃないこと、でも実は他人に興味津々であること、などなど共通点がいっぱいで僕らはだんだんと話すようになった。
2019年から通い始めて、気づけばもう6年が経過しようとしている。そして、予約がだんだんと取りづらくなり、気づけば指名料までかかるようになっている。
人によっては、予約が全然取れないことや指名料を取ることに憤りを感じる人もいるかもしれないが、僕は真逆だ。開店当初から、ここまで大きくなったことに感動している。
そして昨日、あるニュースを告げられた。移転だ。
今は雑居ビルの1フロアにあり、ビル自体が古いからちょっとだけ暗い雰囲気がある。それが、比較的新しいビルの中に移動するとのこと。フロア面積も、今の2.5倍くらいになり、もう一人スタイリストも雇う予定とのことであった。
最終営業日は11月28日。そこから移動を経て12月1日に新店で再オープンだ。長い間通ってきた場所だから、ちょっと寂しい気持ちもあるけれど、それ以上にビジネスエリアの一等地で、店舗の大きさも拡大して、新しくお店をオープンするというその成長に胸が熱くなった(成長なんて、僕がいうのもおこがましいけれど)。
話すようになってから、転職をしたこと、引っ越したこと、悩んでいること、などなど多くのことを彼には話してきた。だから、まるで一緒に歩んできたような感覚を覚えている。
彼がどう思っているかは分からないけれど、彼と彼のビジネスの成長は、僕にとって勇気をくれる。そして僕も頑張ろうと思わせてくれる。そんな同士のような彼の存在は、僕に大きな影響を与えてくれる。
1ヵ月に1回、彼に会うたびに、「ああ、僕も頑張らないと」と、刺激をもらう。
来月は彼にも、彼が築いたその美容室にも、しっかりと礼を言いたいと思う。