HONEST

猫好き・植物好き・ラジオ好きの齢32歳。日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

12月29日 帰ってこれる場所

月曜日、

 

 

「ただいま」って、ついつい言ってしまう場所。当たり前のことすぎて普段は全然意識していないけれど、そういう場所があるからこそ、私たちは毎日を元気に過ごせるのかもしれない。昨日から聞き始めたポッドキャストを通じて、そんなことを考えた。

『日々の句読点。』というポッドキャスト番組を聞いたことがあるだろうか。積水ハウスがプロデュースする番組で、モデルの前田エマさんがパーソナリティを務める番組である。

コンセプトは、まさに番組タイトルそのもの。途切れなく続いていく日常の中に、句読点を打ってみませんか?というもの。つまり、忘れがちだけれど本当は大切な、日々の余白のようなひとときに焦点を当ててみませんか?というメッセージが込められている。

ちょっと調べてみたら、既に放送開始から1年半が経過しているとのこと。全然知らなかった。この1年半、私の生活の中に、そっと句読点を打てるような余白がなかったのかもしれない。どんなポッドキャストが心に響くかって、その時、その時代の自分自身を表していて、ポッドキャストは自分を映す鏡だと改めて思う。

そんなポッドキャスト番組の最新のエピソードをちょっと紹介したいと思う。テーマは、「わたしの帰りたい場所」。ゲストは、俳優でモデルの鈴鹿央士さん。今回はスペシャル版として、リスナーの方から応募があったエピソードを紹介する回であった。

「私の帰りたい場所、それは34歳の時に購入したマイホームである」。34歳女性独身でマイホーム購入?割と珍しいなと、僕は思った。購入した理由は「心から安らげる場所が欲しかったから」だという。

彼女にとって、昔から自宅は安らげる場所ではなかったらしい。精神的な持病がある母に、常に気を遣って生きてきた彼女。母にばれないようにこっそり鍵を開けて、気づかれないうちに眠るなんてこともしょっちゅうあったという。たまに、チェーンがかかっていて、そういう時は一晩外で過ごすこともあったそうだ。そんな環境だったから、反抗期がなかったと彼女は振り返る。早くこの環境から脱したいと思って、必死に勉強して社会に出て、気が付いたらもう34歳。でも仕事を一生懸命やってきた甲斐もあって、ある程度のお金は持っていた。そんな時に、マイホームを買うということがふと頭によぎったらしい。

周囲からは反対の意見もあったけれど、思い切って買うことにしたらしい。ずっと、誰かのために生きてきた人生、初めて自分のために生きていると思った瞬間だったらしい。

このエピソードを聞いて、「ただいま」って言える場所がないことが、どれだけ辛いことであるか、改めて考えた。彼女のように長い期間ではないけれど、僕も同じような経験があったからだ。

小学3年生か4年生まで、僕にとって自宅は安心できる場所ではなかった。父が居たからだ。細かくは書かないけれど、その時が来るまでに本当に色々あった。そしてその時は、本当に突然、音を立てずやってくる。朝、あれは平日の朝だった。母が父のトーストを用意していた時、ついちょっと焦がしてしまったのだ。それに対し、父がまたブツブツ文句を言う。その時だ。

当時、マーガリンを買うと一緒にナイフがついてきたけれど、そのナイフがテーブルに振ってくる。次にお皿が降ってくる。母だ。そこからはもう覚えていない。崩壊の音も聞こえないくらい一瞬だった。殺人事件が後を絶たないのも、こういう経験から、僕は理解できる。

そこからは早かった。父を追放した。そこからやっと自宅がマイホームになった。やっと安心して家に帰れるようになり、安心してお風呂に入り、安心して寝て、安心して起きて、安心していってきますと言えるようになった。

「最近、本当に明るくなったけれど、ご家庭で何かありました?」

小4の授業参観で、母が担任の先生に言われた言葉だ。それくらい、帰ってこれる場所が出来ることは日々の生活に変化をもたらす。それから、頑張るということができるようになった。大変なこと、嫌なことがあっても、全部受け止めてくれる場所があったからだ。

今はもう実家には住んでいないけれど、今僕が住んでいるマイホームは、僕にとってとても大切な場所だ。一人暮らしだけれど、「おつかれ、ただいま」って自然と言いたくなる。だから、大掃除なんていらないくらい毎日掃除もするし、空気の入れ替えもするし、整えておく。この空間がとても大切で、どちらかというと内向型の僕にとっては、本当の自分に戻れる場所になっている。

こういう自分の過去、そして今の状況がある中で、このポッドキャストの、このエピソードを聞いたとき、心に来るものがあった。

このエピソードに出てきた彼女も、仲の良い友人に「ついにマイホーム購入しました~」と、部屋からの眺望の写真と共にLINEをした時、

”ほんとうに今までおつかれさまでした”と届いた返信に、涙が溢れてしまったらしい。「独身まっしぐらじゃん~」みたいな、ふざけた返信が来ると、てっきり思っていたところの不意打ちだったらしい。見ている人は見ているのだ。

 

今何かを頑張れている人、毎日楽しく過ごせている人、素晴らしいと思う。でも、その毎日は、きっと「ただいま」って安心して帰ってこれる場所があるから成り立っているんだと思う。そういうことを、日々の生活の”余白”で、ちょっとだけ立ち止まって考えてみてほしい。一緒に、句読点を打ってみようじゃないか。