HONEST

猫好き・植物好き・ラジオ好きの齢32歳。日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

4月5日 夢中になれること

日曜日、

 

 

昨日も少し触れたけれど、今日はCM撮影の現場を通じて僕が思ったことを書きたいと思う。

今年で社会人になってからちょうど10年。最初の2年間は営業だったけれど、それからはずっと広告代理店と一緒に仕事をしている。会社が変わっても職種は同じだ。立場としてはクライアント側。プロモーション系の仕事の1つにTVCMがある。テレビ離れが叫ばれている昨今だけれども、実際に数字を見てみると、実はそうとも言い切れない。やはり、多くの人に届けることができる媒体としては、いぜんTVCMは強いのだ。

自分が担当しているのは、どちらかというブランディングに近い仕事。強いメッセージをそのまま伝えるというよりかは、世界観をしっかりと作ったうえで、消費者に認知してもらう必要があるのだ。

方向性やテーマは基本的に毎回ぶらさないけれど、クリエイティブのトンマナや世界観はその時の状況に合わせてチューニングをする。だから、商品を撮影するだけというよりも、セットを作ってそこに人物も登場させ、やり取り含めて撮影するケースがほとんどだ。まさにCM制作の醍醐味という感じではあるが、セットを作っての撮影のネガティブなところは、とにかく時間がかかるということだ。

今回のように2時近くなることがほとんどで、これまで一番早く終わった撮影でも23時くらいだった。クライアント側は、だいたい8時くらいに現場入りすることが多いのだけれど、代理店はそれよりも前、そして制作部隊は5時には現場入りしている。そして彼らは撮影後の撤収作業もあるから、翌日の朝まで働いている。

毎回のCMを代理店側で取り仕切るクリエイティブ・ディレクターがいる一方、映像の責任を持つ監督、そして現場の差配をコントロールする制作会社のディレクターもいる。彼らは休むことなく働いていて、深夜に回っていようがなんだろうが、全く疲れたそぶりを見せない。ディレクターは分からないけれど、少なくとも監督においては、「疲れ」という言葉を知らないように見える。全てのシーンに真っ向勝負して、納得がいかなければ何度も何度も撮影する。

それによって時間が押していく。そうなるとキャスト側の待ち時間も増える。芸能人を起用している場合は厳しいけれど、事務所に所属している、くらいのノンタレントを起用しているのであれば大きな問題はない。朝8時から現場入りして、普通に翌日3時くらいまで残っていたりする。それでも、キャストも一言も疲れたと言わないし、そぶりも見せない。そして、クライアントである私たちに対して非常に礼儀正しい。

制作現場で生きる人々を見ていると、僕は常々思うことがある。それは、僕はこんな風には働けない、ということだ。どこかで、明日の自分の体力を気にして妥協してしまうと思う。だから、僕は代理店で働くということは向いていないと思う。クライアント側の代表者という立場で、全てのカットに対して最終的なOK/NGは私が判断している。疲れてくると、早く終われという思いが先行し、判断もテキトーになってきているのは正直否めない。ただ、それも頭の中のどこかで、「こんだけ遅いと明日がしんどくなるんだよなぁ」と思っている自分がいる。その時はそれ以上のことはないのだが、今1日経って振り返ってみると、そういう自分に嫌気が刺す。

寝ずに働いて、本当にいいものを作り上げる。僕には難しい。

まずちゃんと寝る時間、休む時間を確保する。その中で稼働できる時間を計算し、その中で最適なものを作り上げる、そういう思考だ。ただ、やはり成果物が制作物である人は違うのだろう。

典型的な例が僕の母だ。フラワーアーティストとして働いていると、ホテルのエントランスのフラワーデザインを頼まれることがある。だいたい21時くらいからスタートして、朝6時までに仕上げる感じだ。体を酷使している。自宅で作っている時もあって、納得がいくまで作っていると、本当に朝まで働いてることもあった。作っている時は別に辛くないし、乗ってきたらそのまま走り抜けたいらしい。彼女はもう60歳を超えてるけれど、定年なくまだずっと働いている。疲れるとは言っていたが、本当に好きなんだと思う。

こういう人たちを見ていると、僕がそうやって働けるものって何だろうと思ってしまう。彼ら・彼女らみたいな働き方が必ずしも正しいということでもない。むしろ少数派である。でも、年齢関係なく自分のエネルギーを燃やせる何かをもっているって本当にかっこいい。

今目の前のこと、それから常に新しいことにオープンでいることで、「あ、これかも」と思える自分のやりたいことを見つけていきたい。