土曜日、そして日曜日
昨日(というか厳密には今日)、家に着いたのは午前2時半であった。今月末から予定しているテレビCMの撮影でロケに出ていたのだ。
タクシーを降りて少し歩いて眠気を覚まし、一気に入浴から洗濯までを行う。布団に入ったのは、ほぼ4時だ。問題は、朝起きる時間。どうしても街が混み始める前にランニングをしたい。これを叶えるためには、どんなに遅くても7時半には起きなければならない。
ということで目覚ましを7時半にセット。そして、なんと起きれたのだ。3時間半睡眠だから一日しんどいかなと思いきや、そうでもない。ランニングの後も、昨日の撮影の後工程やら事務処理やらで会社に向かい、気が付いたら17時半。なぜかいつもよりも集中できた。
もしかしたら、ランニングハイならぬ、ワーキングハイになっているのかもしれない。ただ、これだけ体が元気なのは、恐らく精神的なものかもしれない。
昨日撮影に後輩メンバーが、僕の想像を大きく超えて成長していたことに、恐らく安堵したのだと思う。僕自身は何も変わってないのだけど、なぜか達成感を得られて、それで心身ともに満たされているのかもしれなかった。
これまで2度撮影に同行してもらっていた。ただ、全て僕がリードして進行しており、どちらかというとこの後輩メンバーの彼女は、学ぶというスタンスであった。ただ、今回からはある程度任せてみたのだ。
もちろん、メディア配信というのは撮影だけではない。むしろ、撮影なんてほんの一部である。でもだからこそ、基本的に彼女にリードしてもらうようにした。
何がそこまで彼女を駆り立てたのかは分からないけれど、普段割と遅刻気味の彼女が、集合10分前には到着していた(らしい)。
広告代理店や監督、AD、クリエイティブディレクターからの質問にも基本的に彼女が答えていた。そうなると、だんだんと現場のスタッフたちも、何か確認事項が発生した場合、この人に聞けばよいというのが分かってくる。
当初撮影自体は21時半に終了の予定だったけれど、小さい子役が出演するということもあって、なかなか理想のものが取れず、かなり押してしまったのだ。
それでも彼女は文句ひとつ言わず、家に着いた後で代理店にも無事到着したことと、撮影のお礼のチャットを送っていた。どうやら、僕のことを相当観察していたようだ。
僕は、仕事を誰かに任せてみる、ということは別に苦手ではない。
ただ、任せるなら丸投げしてしまうタイプで、任せながらも裏でバックアップするというのが苦手なのだ。特に、意見が全く合わないようなメンバーだと、むしろ僕が介入することによって互いにストレスになるから、それなら僕が全部やるか、そのメンバーに全て任せてしまいたいと思ってしまう。
この時期は、普段の業務に加えて来年度の戦略や予算議論などが進み、僕はそちらの方で手一杯。物理的に任せるしかなかったのだ。ただ、「それ、僕が全部やるから保留にしておいて」と言いかけたタイミングが何度もあった。そこをグッと堪えて、「ここに書いてあるから、まずは自分で読んで理解してみて」と、基本的には自分で調べて、理解し、そして対応させるというスタンスを取った。
時間は数倍かかるし、何ならミスして後戻りしているケースも散見されるけど、でもきっとこうやって覚えていくんだろうな、と思う。
同期がお子さんを連れて飲み会にやってきた時、僕はずっとその子をあやしていた。それを見て、間違いなく娘に甘い父親になるねって言われたことがある。僕が親になることはないと思うけど、でもその観察は合ってる。
基本大変なことはこちらが全部巻き取ってしまうからである。でも、それだと相手のためにはならないんだよね。
忍耐が必要だと、改めて理解した一日であった。
さすがに今日は早く寝よう。