HONEST

猫好き・植物好き・ラジオ好きの齢32歳。日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

7月27日 ガムと恋愛

土曜日、

 

 

僕は、目だけでなく、耳でも読書をするタイプだ。複雑な思考を要するものや、鑑賞というよりも勉強に近いものは、本で読書をする。一方で、小説やエッセイなど、自分の頭で妄想しながら鑑賞する話は、耳で読書をする。目よりも、想像が広がって良い。

そんな折、Audibleでお勧めされる著者の中で、ちょくちょく「F」という著者が出てきていた。なんか見たことある人だけど、どういう人なのかまでは知らず、一旦別の人の本を聞いていた。

最近聞いたのが、古賀史健さんの『さみしい夜にはペンを持て』や、吉田修一さんの『泣きたくなるような青空』、そして燃え殻さんの『ボクたちはみんな大人になれなかった』である。男性作家のエッセイと小説のあわいのような本たちである。

恐らくそういう本を聞いていたからだと思うが、F氏が突如お勧めに出てきたのだ。あまりにも出てくるものだから、一番有名とされる『いつか別れる。でもそれは今日ではない』を聞き始めてみた。

 

おもしろい。

彼の人生観、人間観察、世の中に対する洞察が丁寧に紹介されている。クスっと笑ってしまうところもあれば、僕自身の胸を抉ってくるような、鋭い指摘をしている部分もある。

彼が展開する自論の中で、思わず納得してしまったものを紹介する。

「ガムを噛んで捨てるスピードと、恋人との関係が終わるスピードは同じだ」というコメントである。

非常に納得感があり、思わず一回音声を止めて巻き戻してしまった。

 

ガムを噛む。皆さんは、何かガムを噛むためにガムを噛んでいるだろうか。それとも、他なにかすべきこと、やるべきことがあってそのお供にガムを噛んでいるだろうか。

前者はガムを味わう、後者は味わうではなく噛む、という大きな違いがあると個人的には思っている。

僕は断然前者なのだ。だから、ガムは味がなくなったらすぐに吐き出すタイプ。ずっと噛んでいると、気持ちが悪くなる。噛むことが自体が目的ではないから、味が感じられなければ、もう噛んでいる理由がない。

これまでの恋愛関係においても、僕は恋愛そのものを楽しむタイプだった。以前から書いている通り、僕はアセクシュアルまたはバイセクシュアルに近いタイプだから、心の底から誰かを好きになるという経験はこれまでにないし、たぶん今後もない。

だから、恋愛や特別な関係というのが僕にとっては一つのアクティビティなのである。

何もしなくても一緒にいるだけでいいとか、別々の生活をしているけれど、関係性としての恋愛関係が存在している、みたいなことが耐えられない。というか、そこに価値を見出せない。なぜなら、別に安心感や安泰を恋愛に求めていないから、だと思う。

ガムが長く噛める人は、味わうことが目的ではないのはもちろんのこと、噛むこと自体も目的ではなく、ただ何となく噛んでいるだけ、でも別に不快ではなく、むしろ自然で忘れてしまうくらいの感じなのだろう。

でも、同じ感覚で繰り返されるリズムは、無意識に心地よさを生んでいるのかもしれない。そして、ストレス軽減にもつながっているのかもしれない。恋愛も同じで、その関係性に目的を持つというより、自然体で、まるで恋人関係であることを忘れてしまうくらい自然な状態なのかもしれない。それでいて、なんかリラックスできる、安心できる、みたいなものを恋愛に見出しているのかもしれない。

 

Fさんが語っていたこのガムの話から、ちょっと妄想が飛躍したかもしれないけれど、そんなことを考えた土曜日の夜であった。