日曜日、
昨日の朝とは打って変わって、まるで季節も一周してしまったかのような快晴の朝。湿った空気は台風と共に去ってしまったようで、風は吹いていたけれど、爽やかな、それでいて少し冷たい空気を帯びた、なんとも心地よい風の吹く朝だった。
ここまで天気が違うと、朝のランニングもまるで別世界のように違ってくる。気持ちよくランニングを終えると、いつもの通り英会話をやり、颯爽とカフェに向かった。こういう日は、早く家を出て、午前中の早い時間に席を取っておかないと、お昼前にはあっという間に席が埋まってしまうからだ。
街中は、台風によって家に居ることを強制された親子連れや、カップルが、ここぞとばかり外出しているような感じで、気温はどんどん上がっているが、みんなの顔がとても晴れやかだった。人が多いなと思っていると、そんな中に黒のダークスーツに身を包んだ、就活生と思われる方々が、チラホラと足早に駅に向かうのが見えた。
そうか、一応6月1日が正式な面接解禁日だったっけか?日曜日にも面接をやるような企業というのも、もしサービス業じゃない企業だったら、なかなかだと思うけど、それよりも、こんな暑い中でスーツを着て、せっせと歩き回っている就活生に本当に敬意を抱いた。
僕は、日本の就活って本当に変な仕組みだなぁと思っている。多くの企業が、様々な振り落としフェーズを設けてはいるものの、多くの生徒が少なくとも一次面接までは漕ぎつけるだろう。だいたい一次面接は集団であることが多いけど、そんな10分~30分そこらで、就活生の何が分かるというのだろう、と思う。
僕は、前の会社で一次面接の面接官もやったこともあるのだけど、正直一次面接では印象しか残らない。その人がやってきたこと、残してきた実績は、もちろん資料を見れば分かる。話し方を確認すれば、嘘か本当かは一発で分かる。
ただ、
なぜ、それをやろうと思ったのか。
やってみてどう思ったのか。
その時の感情を受けて、その後にどういうことをしたのか。
ポジティブ感情とネガティブ感情だと、どっちが強かったか。
その経験と今の自分がどのように結びついているか、というよりもそういう風に考えるのはなぜなのか。
あなたは何が好きなのか。
などなど、
ぶっちゃけこういうことまで聞かないと、その人のことなんか分からないと思う。この集団面接の仕組みがおかしいとは思うのだけど、就活生からしたら、
「たったこの数十分で私の何が分かるんですか」という感じだろう。
ごもっともである。こちらも面接官をやってみて、そう思った。
そしてグループディスカッションもそう。
一つのトピックに対して、その場で色々と話し合ったりする。そして、最後に互いにフィードバックなどをする場合もあるのだけど、
「私は、〇〇さんは、とても論理的に物事を考える人だと思いました。××△△・・」
就活の時に見せている姿なんて、その人の一面にしか過ぎないでしょう。
僕もそうだ。そして、それが嫌になって途中から素の自分を出し始めたら、途端にインターンで受かっていた企業から、お祈りメールが届くようになった。
ちょっと就活の話になりすぎてしまったけど、こういうことって日常でも言えると思う。
その人全体のことを知ったうえではなく、10%くらいの情報や、ましては何かネガティブな情報、もしくは過去に犯してしまった大きな失敗や犯罪まがいな情報を入手すると、途端にそれだけでその人を判断しがち。
なんでそういう行動を取ってしまったの?って聞いてみたらいいと思う。
過去に交通事故を起こして子供を轢いてしまった、という失敗経験を持つ人がいたら、何があったのか、どうしてそうなってしまったのかを聞くといい。
もしかすると、目の前に猫が居てハンドルを切らざるを得なかったのかもしれない。
もしくは、ご老人の自転車が突然反対側から現れたのかもしれない。
一方で、ただの飲酒運転だったかもしれない。
ただの情報だけで、ただのネガティブな事実だけで、その人の一部の姿だけで、その人を判断することはやめた方がいい。ただ、あなたが何かしらの被害に遭っているのであれば、それは超絶軽蔑したほうがいいとは思うけど。
就活から飛躍して、ちょっとそんなことを考えました。