HONEST

猫好き・植物好き・ラジオ好きの齢31歳。日々の学びや気づきを、ちょっとだけ得意な文章とイラストで自由に記録していきます。

9月7日 好きを好きで終わらせない

土曜日、

 

 

火曜夜からの風邪は幾分マシになってきた。朝、目が覚めた瞬間に感じる体のダルさはほとんどない。熱もないし、喉の痛みもない。喉というか、胸というか、何か突っかかるものがあって常に僕が咳をするの待っているような、そんな生き物が体内にいる感じ。

 

「これは大丈夫だろう」

そう思って、いつも通りの準備を始めた。

今日はワイン検定の日である。別にワインが好きなわけでも嫌いなわけでもないけれど、会社の知り合い&先輩に誘われたということと、チーズマイスターの方が講師ということで、申し込みを決めた。バーに行った帰りの終電で、なかば勢いでボタンを押したというのは秘密だ。

 

ただ、いざ日が近づいてくると、なかなか勉強に身が入らない。言葉には出さないし、文字にもしないようにしていたけれど、検定試験が終わった今、あえて言葉に出そう。面倒くさいと思っていた。

そこに体調不良が重なったのだ。

 

14時会場集合なのに、14時に最寄り駅に着き、会場の会議室があるタワマンの入り口がわからず、15分の遅刻だ。入室早々謝罪。

だがしかし、とても和やかな雰囲気。今回の定員は7名のだが、公募してきたのはわずか2名。僕入れて、講師と何かしら関係がある人が残り5名を占めており、緊張なんて全くない。最初の自己紹介を終えた段階で、もう完全にホームであった。

 

そこから、講師の講義タイム、筆記試験、テイスティング&チーズとのマリアージュ体験、という流れで進んだ。予定としては、19時までだったのだが、ワイン好き・チーズ好きが集まる場で19時終了はない。会場が閉まる21時まで飲み、そのあとはご飯を食べに近くの中華へ。結局解散は23時くらいになっていた。

 

病み上がり、なんなら病み中の僕にとって、アルコール・脂質・油の大量摂取はなかなか体にくるものがあったけれど、なぜか体は元気だ。きっと、良質のワインばかりが並べられていたから、抗酸化作用が働いたのだろう(という言い訳)。

 

このワイン検定なるもの、思っていた以上に参加メンバーが開放的な人で、すぐに打ち解けて楽しめるような一つのエンタメのような企画だった。少しでもワインやチーズに興味がある人は是非挑戦してもらいたいと思う(ちなみに、結果は即日分かり、無事に全員合格していた)。

 

ただ、僕が伝えたいのは、今回の講師の方である。相当な時間お喋りに興じる時間があったおかげで、講師のことをたくさん知ることができた。

御年51歳。本職はワインではないが、ワイン好きが高じてワインソムリエの資格を取得し、チーズ好きが高じてチーズマイスターの資格も取得。平日は全く違うHR系の仕事をやり、土曜日はチーズを専門とするビストロで料理人として働き、日曜・祝日は銀座のワインショップでワインを販売している。

お分かりだろうか。365日全て働いているのである。ワイン検定の結果が即日分かったのも、飲み会がお開きになったその日の深夜にこの講師の方が採点をしてくれたからである。

 

たぶん、僕がこれまで出会ってきた51歳の中で、一番魅力的な51歳の一人かもしれない。

どれだけワインが好きで資格を持っていたとしても、講習をする&生徒を全員合格させるために、講師自信が数か月間しっかり準備をしていたらしい。このワイン検定というのは、講師の裁量が大きく、特に決められたカリキュラムがないので、どの講習会に申し込むかで合格率が変わる。

 

そして、この講師の場合はテイスティング会に、自分がお勧めのワインを持ってきてくれたり、実際の試験で使われるワイングラスを持ってきてくれたり、とにかく参加者が喜んでくれるために、徹底的に準備とデモンストレーションを繰り返している。

 

さらに、これだけ多忙な中でも体調を崩さないように、日々のランニングとスイミングを欠かさない。フルマラソンにも4回出ているという。一体、どこにそんなに時間があるのだろうか。

 

好きが高じて仕事になるケースは数多あるけれど、この講師の彼女の場合は、「自分の好きを続けられるのは、周りの人のおかげ」という信念があり、そのために準備できること、毎日の体力維持が必要という考えがついてくる。

 

51年の人生の中で、きっとその考えに行きつくには多くの苦悩と体験があったのだと思う。

好きなことを、単純に好きで終わらせないというのはそういうことなんだと、改めて振り返る。

そういう人に僕もなりたい。

そのためには、ちゃんと自分に素直になることと、絶対一人では成し遂げられないということを常に意識しないといけない。

 

ワイン検定は9000円(テキスト代金&テイスティング体験料金別)だが、それ以上の価値と学びを得た。