HONEST

猫好き・植物好き・ラジオ好きの齢31歳。日々の学びや気づきを、ちょっとだけ得意な文章とイラストで自由に記録していきます。

9月6日 価値観の共有

金曜日、

 



 

「明日出社する?この前教えてくれた本、貸してくださいよ」

昨夜21時頃の話だ。熱は下がったものの、まだ体のだるさと喉の痛みが残っており、どうしようかと思っていた時だった。同僚の一人からLINEが届く。

ちょっと前のこと。

夕飯を食べ終えた後、執務フロアに戻る前に彼と近くの本屋を物色。なんかお勧めないんですか?と問われて、ふと平積みになっている本を見てみると、びっくり。

自分でも全然意識していなかったのだが、あれも、これも、それもという感じで、結構な本の数々を僕はすでに読んでいたのだった。

 

「これは、〇〇みたいな本。で、おんなじ作者がかいたこっちの本は、ちょっとテイストが違うから、お勧めはこっちかな。あ!そういえば、この隣の本もよかったよ、疲れているときでも全然OK。でも、割とハウツー本みたいな本がすきならこっちかな。ただ、立場が違うからあまり共感できないかも。そういう場合は、こっちのほうがいいかも、まあ俺はあんまり好みじゃなくて、どちらかというとこっちの・・・」

 

ストップ!

 

制止が入る。お勧めを聞いているのに、これじゃあ全て買わないといけないじゃないか。そんな茶番でガハガハ笑いながら、執務室に戻る、そんな夜だった。

 

そして昨夜である。いま楽天でスーパーセール中らしく、どうせなら本を一冊買いたいらしい。なるほど。

結局僕が選んだのは、近内悠太さんの『世界は贈与でできている』だ。学部生時代に読んだ研究作品の次にブックイヤーをたくさんつけた作品だ。そして、普通に読みながら泣いてしまった作品でもある。

写真を撮って彼に送る。これいいよ、おすすめ、と。

 

お、そしたらそれ貸してくださいよ!と秒速で連絡。

 

正直お勧めの本って難しい。本当にいいと思う本は人それぞれだから。そして、同じ本でも、その時の状態やタイミングによって響くかどうかは全然違う。だから、今回お勧めした本が彼に響くかは全く分からない。

ただ、お勧めする本がどういう本なのかによって、その人の価値観をシェアしてもらえるような気がする。小さいころ、毎年クリスマスプレゼントは絵本だった。今考えれば、動物や植物を大事にする考え、等しく優しい気持ちを持つこと、素直であること、こういうことを大切にする母親の考えは、直接ではなくてプレゼントされた本から受け取った考えだ。

 

価値観の共有。それ自体がいいかどうかは分からない。

彼の感想が楽しみだ。