HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

5月10日 究極の無能感の先に

水曜日、

やっぱり水曜日は、本当に不思議なほど忙しくなってしまう。もともとは、全然忙しくなるような予定は入っていなかったのに、会議で突発的なタスクが発生したり、そうかと思ったら、別の部署から急ぎの仕事を頼まれたり。本当は今日はいつもよりも早く上がるはずだったのに、いつもよりも1時間半も遅い退勤となってしまった。

ただ、そのおかげで良かったこともある。それは、普段はあまり話さない人が、仕事に追われている僕を見て話しかけてくれたり、初めて会話するきっかけを向こうから作ってくれたりしたことだった。

僕は、どちらかというと社交的ではない方だと思うので、自分から積極的に話しかけるタイプではない。ただ、話しかけられたら丁寧にお返しして、関係を深めていくことは徹底したいと思っている。だから、今日話しかけてくれた方々の存在は、とてもありがたいと素直に思った。少し立ち話をする中で、それぞれに共通していたのが、このGW期間に海外旅行に行っていた、ということだ。そもそも彼らは、学生時代を海外で過ごした経験のある英語堪能者だから、海外に行くこと自体そこまでハードルが低くないのだろう。

 

そんな彼らの話を聞いて、自分の経験を少し思い出した。僕も彼らと同じように、学生時代を海外で過ごした経験がある。約2年間、フィリピンとカンボジアにいた。フィリピンは大学の交換留学で、カンボジアインターンシップという形だ。

 

本当だったら、フィリピンでの留学⇒カンボジアでのインターンシップ、という順番が理想だったと思うのだけど、これが逆のパターンだった。僕が参加したインターンは国際機関の有給インターンだったので、基本的に正社員と同様の拘束時間、業務レベルの遂行を求められる。直属の上司がフランス人、メンター的な人がチェコ人、同僚がアイルランド人という、かなり国際的な環境にぶち込まれたわけだ。ちなみに、僕以外全員大学院を卒業している。

オフィスに行ったその日に、

「で、あなたは何がやりたいの?」とチェコ人のメンターから問われて、僕は緊張と焦りで何も言えなかった。その後も、ヨーロッパ訛りの英語に揉まれ、かつ大量のレポートを読み込んだり、クリエーティブコンテンツの作成を求められたのだけど、留学経験が皆無だった私は、全てに時間がかかり、完全に期待外れだった。

 

知っていた、

「あの日本人、大丈夫かな?」って言われているのを。というか、別の部署で働く正規社員の日本人の方が心配して晩御飯を誘ってくれた時に、それを聞いた。

 

同時に、生活も大変で、10日間の間に自分でアパートを探し、契約をして、家具などを購入する必要があった。英語は通じると言われていて、確かに通じる人もいたけれど、多くの現地人は英語を話さなかった。

決めたアパートも、壁に穴が空いている、水が出ない、寝ていたら天井から虫が降ってくる、そして日中はオフィスで冷たい視線を感じる。最初の1ヵ月は本当に苦痛で、20歳を過ぎて初めて本格的に号泣した。いまの自分には何もできない、どう頑張っても、どう泣き叫んでも、何もできない、こういう無能感を覚えた。

 

そこから、ある意味開き直って、できないならできないなりのやり方で、ということで少しずつ努力を重ねていき、最後は英語だけでなく現地語の語学学校に行き、現地語を英語で勉強するまでになっていた。

 

留学はお金がかかる。僕も、母子家庭で育った経験があるから、本当にけた外れの世界に驚愕した。ただ、交換留学、自治体の奨学金、大学の奨学金、有給インターンシップ、とにかくかかる費用を限りなく抑え、かつ稼いでもしまうという方法だってあるのだ。留学ではそこまで無能感を覚えないかもしれないけど、自分の力ではもう何もできないという無能感を経験した先に、見える景色がある。

 

留学や海外生活は、それがあるから良い経験だと思う。

 

おやすみ