HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

4月29日 犬も歩けば男に当たる 歪な構造を考える

月曜日、

 

 

今日も引き続き、印象に残ったvoicyの放送と、それを通じて学んだことをシェアしたい。該当の放送はこれだ。尾石はる氏の「なぜ東大は男だらけなのか」である。

voicy.jp

この放送をする上で、尾石氏が読んだ本というのが東京大学グローバル教育センターのセンター長である矢口祐人氏の本だ。今日僕も図書館で早速借りてきた。

www.shueisha.co.jp

 

僕も聞いてびっくりしたのだが、東大の男女比は8:2で圧倒的に男性が多いらしい。しかもこれは学生に限った話ではなく、教授や職員に及んでも男性8割、女性2割の構造になっているらしい。

教職員については、東大は東大出身者が教授になることも多く、教授職として東大に籍を置いている人が男性が多いということ、女性の場合は任期付きの職に就いている人が多く、どうしても役職などが上になるのは男性の方になってしまうとのこと。

そして学生。これは、東大を受験する段階から、男女比8:2になっているらしい。世の中の平均的な大学進学男女比は6:4だから、これは相当男性に偏っているということが分かるだろう。

5人に4人が男性という東京大学、ちょっと変なコミュニティだと思わないだろうか。しかも問題なのは、中にいる人々がこの歪な状態がおかしいと思っていないことだという。

どういうことか。

東大は国立だから、高校からのエスカレーターや推薦入試などがほぼ存在していない。みんな同じテストを受けて、平等に選抜されて入学してくる。その結果として、男女比にこれだけ差が出るなら、それはもうやむを得ないのではないか、そういう思想が根底にあるのだ。

 

だがしかし、東大に入学している生徒は、どこの高校からやってくるのか、という点に着目すると、この思想は覆される。

特定の市立中学高校一貫校20校から8割が入学してくるという。しかも、この20校が全て男子校である。これらの学校は、東大に送り込むために徹底的に指導要領を組んでいるため、半ば東大専門塾である。

 

全国に2,000校ある高校の中で、20校から8割が入学する東京大学、しかもこの20校は全て男子校って、そりゃあ男子が多くなるわけである。

東大は、国立大学だから税金を使って運営している。国民のお金を使っているにも関わらず、かつ世の中は男女比が1:1なのにも関わらず、圧倒的な性別偏重の状況に対して特に問題を感じていないって、結構やばい。私立なら百歩譲って分かるけど、税金で成り立っている学び舎でこれが起きているってちょっとおかしい。

 

そして、東大に入ってくる生徒の家庭環境も、年収一千万円以上の専業主婦世帯がほとんどだという。男女共働き、男女関係なく働き稼ぐ、みたいなところとは真逆を行っている家庭で育って生徒が多いのである。

あくまでデータ上の話だが、そういう家庭環境で育った男子生徒が多く東大に入学し、そこでも男性が多く男性優位の大学の中で4年間を過ごし、そして官僚や企業の中枢を担う人へとなっていくのである。

 

ちょっとやばくないだろうか。

 

そして、僕が一番驚愕だったのが、以下だ。

東大には「東大女子お断り」というサークルが存在していた。た、だ、し、東大女子ではなく他大の女子ならOKという謎のルールがある。

理由としては、自分たちと同じくらいの頭脳を持った東大女子だと、男性側をサポートするようなこと、つまり部活のマネージャーや、サークルの事務作業みたいなことに対して、いちいち口を出してきて厄介だから、それならもっと偏差値の低いところの女子に、そういった雑務的なことをやってもらおう、という魂胆である。

 

なんとこれ、2020年まで普通だったという。留学生から、それはちょっとおかしくないかという抗議が多発し、この制度は廃止になった。大学側はそれまで、生徒の自治に任せるとい言って手を付けていなかった。

こういう部分からも、東大自身が男女格差を生んでいるということに、何の問題意識もなかったということが伺える。

 

これ、決して東大が悪いと言っているわけではない。

問題は、東大に入るもっと前の前の前の段階から、男女の間で大きな隔たりが出来てしまうという日本の教育構造である。

 

こういうことに気づく人が、もっともっと増えてほしいと思う。