HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

7月16日 類は友を呼ぶ

日曜日、

 

 

なぜか分からないけど、心惹かれるものってありますか?

時折、どうしても触れたくなる、見たくなる、体験したくなる、そんなものってありますか?

 

僕にとってそれは、埠頭に佇むガントリークレーン。

もしかするとガントリークレーンという言葉自体が初耳の場合もあるかもしれないので、ちょっと説明。

俗にいう「キリン」と呼ばれているもので、コンテナ船からコンテナを降ろすとき、コンテナ船にコンテナを積むときにワイヤーを使ってグイーンと運んでいる、巨大な鉄の機械である。

 

僕がこのガントリークレーンを初めて間近で見たのは、コロナ禍に入ってからだったと記憶している。コロナが始まる前は、だいたい年末年始やお盆休みは実家に帰っていたのだけれど、コロナをきっかけに休暇中も都内で過ごすようになった。そんな時に出会ったのがガントリークレーンだ。

 

コンテナ船は基本的に休みなく、そして24時間稼働しているはずだから、それに合わせてガントリークレーンも年中無休で動いている。それはつまり、ガントリークレーンの中で操作している人も、交代制ではあると思うけど、働き続けているということだと思う。ただ、遠くからはもちろん、ガントリークレーンの下まで近づいても、操作室で働いている人の様子は、はっきりとは見ることはできない。それくらい高いところで働いているのだ。

 

この初めての出会いをきっかけに、定期的にガントリークレーンを見に行くようになった。毎回訪れる埠頭も決まっていて、そこでは本当に間近で見ることができる。更に、海を介して、反対側の埠頭に佇んでいるガントリークレーンの群れも見ることが出来るのだ。

 

春、夏、秋、冬。季節が変わるごとにそこに訪れている。

 

埠頭は、人が住むような場所ではないので、土日祝日でも何かしら用事がある人以外は基本訪れない。今日も行ってきたのだけど、そこに行くまではたくさん人を見るのに、そのエリアになると、途端に人がいなくなる。

 

なぜ、こんなに惹かれるのだろう。一つ確実にあるのは、世界と日本を繋ぐ玄関の一つになっているということ。転職する前まで、僕は輸出事業部という部署に所属しており、毎月海外出張に行っていた。運ばれているコンテナを見るたびに、僕も一緒に載せてって、と真剣に思った。

 

そして、そのほかに改めて考えてみてちょっと思ったのは、僕自身を重ねて見ているのかもしれない、ということ。

 

ガントリークレーンは決して1台だけで存在はしておらず、何台もが列をなして海に向かって佇んでいるけれども、基本的には1人で黙々と作業をしている。そして、土日とか関係なく、ずっと作業をしている。あの鉄の硬く巨大な質感が、強い感じと寂しい感じを同時に持ち合わせている。

 

僕も、起業とかそういうことも夢見るけれども、基本的には大きな組織に所属をしている。ただ、決して群れず、淡々と仕事をしている。そして、休むことが一番苦手で、常に動いていないと死んでしまいそうになる。それは、やればやるだけ、能力やスキルがつくと思っているからだ。だから、ガントリークレーンの鉄の材質のように、剛健なスキルがつくかもしれない。ただ、それは同時に他者を撥ね退けるものかもしれず、実際に孤独も良く感じている。

 

「ああ、今日も君は動いているんだな。お互い頑張ろうね」

 

こんな感じで、僕は彼らを見ている。気づいたら数時間は経っている。

そして何だか分からないけど、いつもパワーをもらって帰ってくる。

 

また週明けから頑張れる、そんな気がした。