HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

10月9日 僕にとっての絶景

月曜日、

 

 

僕は街中のありふれた風景が好きだ。もちろん大自然も魅力的だけれど、ちょっと立ち止まって覗いてみた時に、視界に入ってくる風景の方が魅力的に感じる。僕が魅力的に感じているこの景色、これは何と読んだら良いのだろう。それの答えをくれたのが、テレビ東京系列のドラマ『日常の絶景』だ。

日常の絶景を観る | Prime Video

 

僕がこのドラマを知ったのは、佐々木俊尚さんのvoicy番組で紹介されていたことがきっかけだった。

voicy.jp

 

なんと3話完結というとても短い話。しかも、地上波で放送していた時は深夜帯枠だったこともあって、あんまり話題にはならなかったと思う。そこがまたいいよね。

 

主人公は、どこかの企業に働く総務部の地味な女性。日常の絶景を写真に撮ることが趣味で、インスタでも公開している。そのインスタをフォローしたのが、同じ会社の企画部の女性。いわゆるバリキャリタイプで、皆からは港区女子と呼ばれている。絶対に交わらないような2人が、日常の絶景をきっかけに、仲良くなっていく話だ。

日常の絶景として出てくるのは、都内の港湾エリア、千葉県の砂防と消波ブロック、そして埼玉県のダムだ。

 

前にこの日記でも書いたことがあるが、このドラマの第1話で出てくる港湾エリア、そこのガントリークレーン。僕は、ちょっと自分の気持ちがいっぱいいっぱいになると、よくここに1人で訪れる。だから、この風景を「日常の絶景」として切り取っているこのドラマに共感を覚えた。

 

冒頭にも書いたように、僕はこういった日常に潜む何気ない風景が大好きだ。そしてつい先日、大好きなアーティストであるマテウシュ・ウルバノヴィチ氏の作品集も購入した。彼が心惹かれるものと、僕が魅了されるものに、どこか共通点を感じる。

 

 

改めて、僕が心惹かれる風景について、もう少し言語化したいと思う。

僕は、無機質と人間臭さが融合している風景が好きなのかもしれない。具体的には、無機質な空間なんだけど、どこか営みがあるような風景だ。
 
ガントリークレーン。無機質の代表格だ。ただ、ガントリークレーンは基本24時間365日稼働しており、よく大きな音を鳴らして合図を出している。この鳴き声のような音が切ない。そして、見えないけれど、上空には機械を操作する人が入っている。
この無機質な空間と人間の労働がマッチする場所、そこが好きだ。
 
大きな病院の裏口。エントランスとは違って、ポリバケツやエアコンの換気扇が並んでいる。とても無機質。ただ、ふと顔を見上げると、窓からは煌々と光が漏れている。24時間消えない。この、無機質な感じと労働の感じが溜まらない。
 
新宿や渋谷の路地裏。時刻は2時を過ぎたくらい。とにかく汚い。光が消えたり、まだついていたり、そしてポツポツとひとが歩いている。なんか郷愁を感じる。
 
早朝の街中。別にそれだけだったら普通の風景。ただ、そこに朝刊配達のバイクが走ってくる。時刻は5時前。まだ夜明け前のコンクリートジャングルに、人の気配が漂い始める。この瞬間が好き。
 
なんだろう、こういう無機質の中にある、労働の営み、それが合わさった風景に、どうしても心打たれてしまうのだ。
 
僕にとって、この風景が日常に潜む絶景なのである。