HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

7月22日 もとはみんな同じ

土曜日、
 

 
経済産業省に勤めるトランスジェンダーの職員が、職場の女性用トイレの使用を制限されているのは不当だとして国を訴えた裁判で、最高裁判所は、トイレの使用制限を認めた国の対応は違法だとする判決を言い渡しました。
NHKニュース 2023年7月11日 20時35分)

www3.nhk.or.jp

 
この最高裁の判決が出てから、トランスジェンダーをはじめとする、性的マイノリティに対するニュースを、メディアが再度よく報道するようになってきたと思っている。
 
まず僕のスタンスを伝えると、この最高裁の判決には賛成である。
 
一方で、この判決に対して、一方でシスジェンダーが女性の人の意見として、男性から盗撮や痴漢被害の恐れがあるとして、共用トイレではなく女性専用にすべきだという声もあると思う。渋谷区のトイレ問題がその典型だと思う。
 
どっちの意見が正しくて、どっちの意見が世の中的に認められるべきだとか、そういう話がしたいのではなく、むしろどっちの見方もあると思っている。
 
トランスの方からしたら、まず生まれの性に合わせたトイレを使用することは、言葉にならない違和感を感じると思う。トイレはみんな一日に何回も行くわけで、しかもコロナが終わって出社が増えれば、そのたびに違和感を感じなければいけないわけで。
 
自分の働くフロアから遠く離れた場所にあるトイレまで行かせる、といった経産省内での指令は差別以外の何物でもない。
 
一方で、過去に盗撮や痴漢の被害にあった人からすると、少しでもその可能性があるような環境、空間は耐えきられないと思うし、フラッシュバックもあると思う。だからそちらの意見も分かる。
 
でも、僕が思うのは、こういう共用トイレみたいなものが小さい頃から当たり前にある社会だと、「共用トイレ=痴漢や盗撮の場」なんていう発想自体が起きなくなるのだと思う。実際に、デンマークスウェーデンのような欧州、北欧の国では、共用トイレが当たり前のようにあるみたい。
 
多分、日本は同質性をすごい重んじる国で、小さい頃から集団の中で揃える、はみ出さないっていうことを重視されてきたと思う。そして、しっかりと整理して、綺麗に考えたい傾向が強いのだと思う。
 
男性・女性での区別、背の順での並び替え、5段階での成績査定、全員丸坊主、大学偏差値ランキング、理想的なリクルートスーツスタイル、新卒一括採用、結婚適齢期、結婚=男女間のもの、男女の親と子供の組み合わせ、核家族
 
こういう基準、つまり「ふつう」というある種のラインを設けることで、そこから上が良いとか、そこから下が悪いとか、そしてそこから外れると例外とか、そういう風にまとめるのが好きなんだと思う。
 
そして僕も、ずっとそういう社会の中で生きてきたから、異質なものが混ざってくるとちょっとした違和感を感じることもあったし、実際にこうやってまとまってると、あれこれ思考しなくていいから楽だとも思う。
 
ただ、僕自体が性的マイノリティだと分かったとき、この日本社会の生きづらさを痛切に感じた。それで学生の時は海外に逃げたっていうのもあるかなぁと、今振り返ると思う。
 
ただ、人類だけにとどまらず、様々な生物は、大元を辿ると共通の単細胞祖先にたどり着くのだ。もとはみんな同じなんだよね。
それを「ふつう」を通じて、バッサバッサ切り分けている感じ。
確かに、スピードや効率重視の日本社会だと、このスタイルはあっているのかもしれない。
 
ただ、マイノリティが世の中を作ってきたという歴史もある。
 
多くの鳥が空を飛べる中で、例外として生まれてきてしまった飛べない鳥。ただ、環境が助けたこともあって、飛べる鳥に比べてエネルギーを使わないから、それを繁殖へのエネルギーに使うことができた。
 
優れた品種のジャガイモの中で、はずれとしての品種が生まれてしまった。ただ、もとの品種の中に伝染病が広がり一気に滅亡した中で、その別の外れもの品種だけが伝染病にかからず、結局それが今でも残っている。
 
こうやってマイノリティが世界を変えてきた。
 
ただ、だからマイノリティが優れているなんて思っていなくて、言いたいのは、もとはみんな同じじゃんか、もっと広く視野持とうぜ、っていうことである。
 
忙しい時、辛いとき、眠い時、疲れている時、悲しい時、自分が弱っている時はどうしても思考が狭まりがちだし、性急に回答を出しがち。ただ、ちょっとだけ立ち止まって、もとはみんな同じなんだぜ、って考えると少しはこの世の中が行きやすくなるかも。
 
 
ちょっと視点は広がるけど、
今目の前のテーブルに載っている魚もお肉も、もとをたどれば私達と同じ生物。捕食は怖い。今読んでいる本を読み進める中で、「イルカとクジラ」の違いについて語られている部分があって、そこから「くじらの涙」という歌を思い出した。
 
この歌に出会ったのは小学生の時に合唱コンクールに出場した時で、衝撃を受けすぎてしまって、今でも自分の思考にくっついている。
 
支配力という観点で考えると、動物も人間から比べたらマイノリティなのかもしれない。もとは、同じなのにね。。。
 
 
さてさて、まだ途中なんだけど、今読んでいるこの本から妄想が広がり、そんな感想を得た。最後まで読んだら、また感想かきたいと思う。