HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

7月23日 本当の雑草魂

日曜日、
 

”雑草は踏まれても立ち上がらない。これが本当の雑草魂だ”。
(引用:稲垣栄洋『はずれ者が進化をつくる』p.161)
 
 
この言葉を見た時、衝撃を受けた。
 
 
テレビやアニメなどのメディアの影響で、雑草魂というと、私たちはついつい「踏まれても起き上がる精神」のような、不屈の根性みたいなことを想像すると思う。
しかし、実際の雑草は、踏まれても立ち上がることはないと、著者の稲垣さんは説明している。そもそも、なぜ起き上がる必要があるのかと。
 
 
雑草にとって、最も大事なことは、花を咲かせて子孫を残すこと。そうだとすると、踏まれても踏まれても立ち上がることは、余計なエネルギーを過度にかけることになり、かえって逆効果になってしまう。
そんな無駄なことはせず、踏まれたらそしたらそのまま、地面を張って横に伸びていく。さらには、上に伸びる代わりに、下に深い根を張って、地下からたくさんの栄養を吸い上げるように体勢を変えていく。
 
 
”「踏まれても踏まれても大切なことを見失わない」これこそが、本当の雑草魂なのです。” (引用:稲垣栄洋『はずれ者が進化をつくる』p.161)
 
 
私たち人間の世界でも、雑草が教えてくれるこの教訓は大いに生かせると思う。
打ちひしがれても、また立ち上がる、あきらめない。倒されても倒されても、また這い上がってくる。
こういう忍耐力だったり、あきらめない気持ちが大切であるということは、学生のころから散々言われてきている。
 
でも、それは1つの価値観において正しい、理想的とされるだけの話であった、果たしてそれが、本来の目的を達成するために最も大事なことなのかどうか、と問われたら、必ずしもそうではない、という回答になると思う。
 
もし雑草が、踏まれても起き上がって、上に伸び続けたとする。そうすると、雑草の周りには、もっと背丈の高い花、巨大な木があり、上手に日差しを浴びることができない。
一方で、踏まれたら、その分横にひたすら這って行けば、木々の葉っぱから漏れる光をわずかでも享受することができる。
 
もし旱の日々が続いて水不足に陥った時、他の花々や木々は、簡単に枯れてしまうかもしれない。でも雑草は、横に延ばした体から、地面に深く突き刺さる根っこを何本も持っているから、そう簡単には死なない。
 
上に伸びることが良い、という考えは、人間世界でも同じで、背が大きいとか、成績が上位だとか、そういう上下の価値観で物事をはかる傾向がある。でも、必ずしもその凝り固まった価値観に沿わせる必要はないし、むしろ自分の個性を伸ばしていった方が、窮地に生き残る可能性だってあるのだ。
 
 
ただ、「自分にはこういう方法があるのかもしれない」と気づくためには、挑戦してみないと始まらない、とも思っている。
雑草も、幾度となく振り落とされる足に負けずに、成長しようとトライした結果、自分にとっては上に伸びるんじゃなくて、横に伸びる方がいい、ということに気づけたのである。
 
自分の個性や強みを伸ばすためには、まずそれに気づくことが必要で、それに気づくためには、ちょっと怖くてもやってみることが大切かもしれない。
 
そして、その挑戦をした時に、既に決められているルールにうまくフィットできない、序列に入り込めないと気づいたなら、そこから外れて自分なりのメジャーを持って進めばいいと思う。
 
 
植物、生物から学ぶことは計り知れないほど、たくさんある。