HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

10月15日 当事者じゃない人が考える意味

日曜日、

 

 

皆さんは、低出生体重児という言葉を聞いたことがありますか?

2500g未満で生まれてくる赤ちゃんのことを指すそうです。

 

今日は、過去回のポッドキャストを聞いていた。先日、心臓移植について放送していた回が再放送として更新されており、以前聞いた中で印象に残った回を改めて聞いてみようと思い立ち、この低出生体重児の回を聞き直した。

www.asahi.com

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この2回の放送でゲストとして登場されたWithnews編集部の河原夏希記者。

実は、ご本人が当事者ということで、このテーマについて取材を続けているのだ。

 

当時、二卵性の双子を授かっていた河原記者は、妊娠23週で破水してしまい、双子の1人を600gという大きさで出産することになる。残念ながらその子の命は助からなかった。さらに、双子のもう1人も出産後数ヵ月で、の病気によって命を落としてしまったとのことであった。

 

そんな状況を、周りにどう伝えるか、とても悩んだという。仲の良い友人たちに伝えるにも、逆に気を遣わせてしまうのではないか、とか、自分もどうやって伝えればいいんだろうか、という風に悩んでしまったとのこと。

ただ、極力周りに伝えるようにはしていったとのことだった。

それは、河原さん本人の様子を伝えたかったというわけではなく、「この子は居たんだよ」っていう存在を伝えたかったとのことだった。

 

そして、このテーマを僕も全然知らなかったのと同じように、たとえ保健所の保健師さんでさえも、まだまだこういったケースを把握しきれていないとのことだった。

だからこそ、何割くらいの確率で命が助からない、何割くらいの確率で後遺症が残ってしまう、あと何週間遅かったら、その確率はもうちょっと上がったかもしれない、ととにかく数字の情報に翻弄される日々だったとのこと。

それでも、数字ではなく、このいのちが生まれたということ、最後に抱っこできたということ、データや確率ではなくて、一つのストーリーがあったということを伝えたいと力説してくれた。

 

これだけ当事者の人達が悩み、考え、苦しんでいるのに、関係ない人たちは日常生活の中で1ミリも考えることがないだろう。

 

妊娠したの?おめでとう!よかったね。

そうやって片づけてしまっているかもしれないけど、その後に幸せな出産報告ができないお母さんだって沢山いるわけで、女性が職場で働く以上、自分の隣で今働いている人が、実はそういう悩みを抱えているかもしれないわけで。

でも、やっぱり当事者じゃない周りが、このことを全然知らなかったら、そりゃあ当事者の本人は簡単に吐露できないよなぁと思ってしまう。

 

もう、当事者は死ぬほど考えて考えて考えて、それでもまだ考え続けていると思う。

少しでもこの社会を優しくするためには、当事者に考えさせるんじゃなくて、当事者じゃない僕たちが考えていくことが必要なんじゃないだろうか。

 

この放送で語ってくれた河原さんは、仕事が大好きで、1人目の妊娠の時にもギリギリまで仕事をしていたから、2回目の時もそうやって働いていたそうだ。もちろん、それが原因ではないことは分かっており、病理検査の結果、感染症が原因だったということが判明したそうだけど、それでも自分を責めてしまうことがあったそうだ。

 

だからと言って、「今は体が一番だから、そんなに仕事しなくても大丈夫だよ」って、そういうのも違くて。一生懸命働いている人に対していう言葉じゃなくて。

 

やっぱり、当事者は分からないからこそ、まず事実を知ること、そしてそこから当事者の気持ちを想像すること、それがとても大切で、この社会を生きやすい社会にするためには必要だと思った。