HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

1月1日 ドナー登録

月曜日、

 

 

日本骨髄バンクという存在を聞いたことはあるだろうか。恐らく、日々生活をしている中では、意識していないとあまり目にしない、耳にしない存在だと思う。TVCMやSNS、ポスターでも露出が増えてきているし、主張強めのオレンジ色がシンボルカラーだから、何となく見たことあるかも、っていう人も多いかもしれない。

とか書いておきながら、僕も存在は知っているものの、特に意識して生活しているわけではない。

今日伝えたいことは、例え自分がドナーになれなかったとしても、骨髄バンクという存在を知っている、骨髄移植を待っている人がいる、ということを知ってくれているだけで、救われる人がたくさんいるということだ。

 

 

先週くらいから、多くのポッドキャストが2023年の振り返り系の放送を流している。僕がいつも聞いている、朝日新聞ポッドキャストもその一つ。一度聞いているしなぁ、ということで、今日も仕事をしながら流し聞きをしていた。

すると流れてきた「骨髄バンク」の言葉。

”あっ”と、思った。当時この放送を聞いた時、自分も骨髄バンクのドナー登録がしたいと強く思ったのに、まだ行動に移せていないということを思い出したからだ。

omny.fm

 

この放送が印象に残っていた理由は骨髄系の病が割と僕の身近にあるからだ。そして、あえて骨髄系の話とは、距離を置く、もしくは無感情を決め込むということをやってきたからである。

 

「骨髄異形成症候群」。母の病気である。MDSと省略されることも多い。すごく簡単に言うと、白血病の前症状段階と言われている。ドラマとかで良く取り上げられるのは、「急性白血病」。一度鼻血を出すと止まらなかったり、口内炎が治らなかったり、みたいな。とにかく急激に進行する。一方で、MDSは進行が遅い。だから症状に気づかないこともある。

高校生の時に発症して、高校3年間はずっと入退院を繰り返していたというが、今は漢方薬で症状が数十年出ていない。

入院している時の病院の状況や、自分の症状が酷い時の家族の表情など、真実を色々と見てきたと思う。だから、母は自分から病気のことなどは一切語らないし、そういうドラマを見ても、何の感想も言わない。

そういう影響もあって、僕もあえて骨髄系の病気からは距離を置いてきた。

 

ただ、一つ言われていることがある。多分小学生になるかならないか、くらいの割と早いタイミングだったと思う。

 

もし僕が将来結婚をして、妻となる方に子どもが出来た時、もしその子が女の子だった場合、ほとんどの確率で 生まれつきMDSの可能性が高い、ということ。

 

これを聞いた時、最初はすごく恐ろしかった。なんだそれ、って思った。

でもそれ以降は、あえて見て見ぬふり、聞いて聞かないふりで、「へーそうなんだー」っていう感じで聞き流してきた。

幸いなことに(幸いかどうかは分からないが)、僕は今のところ家庭を築くつもりがないから、そういうリスクに直面する確率は低いかもしれない。

でも、逃げられない事実ではある。だから僕自身、骨髄移植とか骨髄バンクとかを聞いても、なんかピンと来ないというか、むしろ拒否反応があったのである。

 

母があまり当時のことを積極的に語らないことから分かるように、実際はドナーが現れずに亡くなってしまう、というケースが多いのだろう。

すごくリアルだな、と思ったのは、母のこの一言。

「みんなお化けとか幽霊とか怖いっていうけど、正直全然怖くなくて。だって、死が頻繁すぎるんだもん。なんかもう霊とかそういうの、普通だわ」

 

この言葉を聞いてから、正直骨髄バンクとかに登録しても、結局全然救われないじゃんって小ばかにしていた。そして、「あ、偽善ね、はいはい」って思ってきた。

 

でも、この朝日新聞ポッドキャストを聞いて、ちょっと考えが変わった。

「助からない方が当たり前。でも、こういう放送が流れているということ、骨髄バンクがあるということ、それを考えてくれている人がいるということ、それだけで多くの患者さんが実は救われているんです」

コーディネーターの方が言っていた。

 

これも母から聞いたのだけど、「病は気から」とか「手当て」とか、そういう気持ち的なパワーって本当に病気を治すらしい。

それこそ、そういう不思議な力で症状が良くなったケースも沢山見てきたと言っていた。

 

自分には何の知識もないし能力もない。でも、こういう文章を書いて、少しでも呼びかけている人がいるっていうことが、巡りめぐって患者さんに届いたら、もしかしたら0.00001ミリ%くらいの確率で救われるかもしれない。

そして、その確率を多少でも上げるために、自分もドナー登録をしよう。

 

この放送を聞いた時、私生活や仕事で自分が居る意味が感じられず、存在意義を探していた。それで、この放送を聞いて、考えることと行動することで誰かの助けになれるなら、と思ったのだ。

なのに、結局何もしていないじゃないか。

 

今年はやろう。