HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

11月25日 弱者と強者

土曜日、

 

 

いつも聞いているVoicyパーソナリティの尾石晴さんの放送で、女子高生の低用量ピル服用に関する話を取り上げていた。

 

voicy.jp

 

X(旧Twitter)で、とある投稿を見かけたという。

それは、恐らく医者の方の投稿で、1月や2月の大学試験のタイミングで生理になることを避けたかったら、低用量ピルを事前に服用して、月経をコントロールすべきだ、という投稿だったようだ。

 

この投稿に対して、たくさんの賞賛コメント並びにリポストがあり、X上で一時期話題になっていたという。これに対して、晴さんは強烈な違和感を抱いたらしい。

それは、低用量ピルを服用して月経周期コントロールすること、そこに目が向けられていて、そもそも年1回のテストしか大学の合否を判定するタイミングがない、ということに目が向けられていなかったからだ。

 

女性には、必ず生理が来る。男性は来ない。だから、チャンスが1回しかないそのタイミングに合わせてコンディションを持って行く、ということがそもそも不平等なのである。

 

今はもう男女問わず多くの学生が大学に行くようになったけど、恐らく共通テストや大学入試という仕組みが出来た頃は、まだまだ女性が大学に行く時代ではなかったのだろう。だから、特に月経などがない男性にとっては、年1回のタイミングでもある意味特に問題なかったのだと思う。

 

でも、もう時代は変わったのだ。男女問わず大学に通う時代。そもそも、この入試制度がおかしいと、今回のこの投稿を機にそこに目が向けられてもよかったはずだ。

 

晴さんに言われて、本当にそうだようなぁと思うと同時に、僕自身も、これまで構築されてきた社会システムをあまり疑わず、生きてきてしまったように思う。

 

もし僕が女性だったら?

もし僕が大学に行けるような生活環境になかったら?

もし僕が障害を抱える人間だったら?

 

きっとこの世の中には、立場によって生きづらい制度がたくさん残っていると思う。

 

今回のように、それを医療の力で克服する、というのも一つの方法かもしれない。でも、僕はこれを聞いて思った。

 

「ピルって無料じゃないでしょ?」

「女子高校生が1人で黙って病院に行ける?」

 

ピルを飲んで月経をコントロールなんて簡単に言うけれど、皆がみんな、そんなに裕福じゃないと思う。そして、家庭によっては、そこに使うお金があったら別のものに使えと言われることだってあると思う。忙しければ病院にだって行けない。

方法を提案するのは自由だけど、当事者の目で本当にそれが改善策なのか、そもそも根本的におかしいことはないのか、そういう一歩引いた眼で、俯瞰して物事をとらえないといけない。

 

何のためにこれまで勉強してきたのか、何のために大人がいるのか、それを自覚して脳みそを使いたいと思った。

 

この放送は有料放送だけど、是非多くの人に聞いてほしい。特に、医者、教師、親、そして男性に聞いてほしい。

 

「年に1回のチャンスに抜群のコンディションで挑む」、これは生理がない男性が強者になる仕組みだ。ただ、強者と弱者は表と裏の関係であり、他の物事においてはその立場が一気に入れ替わる。

 

自分が強者側に居る時こそ、弱者になっている人はいないか、どうすれば弱者と強者という構造を生まないか、考えたいと思った。

 

いつだって、弱者と強者は簡単に入れ替わってしまうのだから。