水曜日、
今僕は、間に入っている。
ずっと前から書いている、2社の広告代理店との間である。本当は、クライアントの下に広告代理店が下り、その下に孫請けとしての広告代理店が居る、みたいな構造がやり取り上は理想だった。
ただ、今回採用した2社は全く別会社であるから、クライアントである我々が間に入って両方にディレクションをする、そんなことが起きている。
これが非常に厄介で面倒臭い。
一方で、間に入るからこそ見えてくるものがある。両者がどんなことに重きを置いているか、どういうところに不満・やりづらさがあるのか、などなどである。
当初は、このクソ忙しいタイミングで、こうやって間に入って両者を見ることを辟易としていたが、今はこれをむしろポジティブに捉えようと思っている。
今日はこの2社とのキックオフ。春に実施するキャンペーンに向けて、どういう風に動いていくか、というところの初回の大きな会議体であった。ここでも、もちろん僕は間に入る。
終わってみると、首筋が張っていることに気が付いた。慣れないからだろう。緊張していたんだろうなと思った。
そこからちょっと連想して、この荒木さんのVoicyを思い出した。松岡正剛氏の本を紹介している放送である。
この中で、物事の「間」に目を向けることで、本質が見えてくるということを語っていた。
まず、人間というのも、人と人との間と書く。私たちがそれぞれの人々を理解しようとするとき、絶対的な理解ではなく、だれかとだれかを比較して、〇〇さんはこうだ、とか▲▲さんはこうだ、と相対的に理解する。
そして、だれかとだれかの関係性から、今度は組織を理解する。会社だって、粒子を細かく見てみれば、人の集合体だ。誰かと誰かの関係性によって、「会社」という一つの大きな虚像が生まれている。
何かをやめる時、始める時、それぞれのピリオドに注目するのではなく、やめた後から始めるまでの間に注目する。実は、その期間をどう過ごすか、みたいなところに自分自身が本当にやりたいことは何か、みたいな本心が垣間見えるのではないか。
今回、広告代理店の間に入るという立場になったが、この立場だからこそ見えてくる、こういうマーケティングやプロモーションの課題みたいなものが、意外と見えてくると思っている。
この「間」に着目するという考えは、自己理解、他者理解、組織理解にも繋がる。結構見落としがちだけど、実はとてつもなく大事なポイントなのかもしれない。