HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

6月16日 ビオトープ

日曜日、

 

 

梅雨通り越して夏。それくらい暑かった今日の午後。二年ぶりの再会となる知り合いに会いに、お茶の水へ出向く。

この街自体がかなり久々である。東京23区の中では割と中央に位置するこの街には、滅多なことがない限り来ない。基本週末は自宅が位置している南エリアで過ごすことが多く、特別な用事がない限りは訪れないエリアだ。

同じ東京都内だけれど、されど東京である。久々のお茶の水は、学び舎の街、学生の街という感じが漂っていて、なんだか懐かしい気持ちになった。

 

お茶の水に来たら絶対に立ち寄りたいのが、少し足をのばした先にある神保町である。ユニークな個人書店が多く軒を連ねるユニークな界隈である。ビジネス書から古本、要所から絵画まで、あらゆるジャンルの本が見つかる街だ。

 

幾つかの本屋を梯子する。割と大き目な本屋から古本屋まで。特に目的意識を持たず、何か面白そうな本があったら手に取ってみる。前書きを読んで、なんだか面白そうであれば購入という流れだ。

 

一通り本屋巡りを終えて気づいたことがある。それは、最近僕はエッセイに興味があるということだ。文藝春秋柏書房、タパブックス、新潮社、、、。版元は様々だけれども、共通してエッセイのコーナーに立ち寄って、本をパラパラと捲っていることが多い。

 

加えて、「言葉」や「書くこと」、そしてクリエイティブにまつわる本も、気が付いたら手に取って立ち読みをしている。

コピーライティング、広告コピー、伝わる言葉、日記を書くこと、イラストレーター作品集などなど。

 

考えた見たら、コロナ禍になるまではお茶の水・神保町界隈に割と頻繁に通っていた僕。目的は、ずっと続けていたサックスのリードを買いに楽器屋に出向くこと。そのついでに、神保町まで足をのばして本を買っていた。

 

当時は、「エッセイ」や「言葉・書くこと」に関する本なんて全く興味がなかった。マーケティング関連の本ばかりを見ていて、〇〇マーケティングとつく本は片っ端からチェックしていた記憶がある。

そこからコロナを経て、「考えるということ」「学習するということ」「哲学」「ケア」こういったものに興味が出始め、次に「発信すること」についても少し興味が出てきた。

 

購入した本を見ると、当時の自分の興味関心、問いや疑問が何だったのかを振り返ることができる。

「あの時は、こういうことに課題意識があったのか」

「当時は、ああいうことにモヤモヤしていたのか」と、そんな具合だ。

それと同時に、昔から一貫して購入し続けているテーマ・ジャンルの本というのもあり、それはまさしく自分がずっと興味がある、または探求していきたいと思う分野なのだということが分かる。

 

忙しさに追われて、今の自分に迷子になってしまった時、行く先が分からなくなってしまった時、本棚を振り返ると、そこにはこれまでの興味関心、それ以外にも悩みや葛藤までもリフレインすることができる。

同時に、「あなたが好きなのはこれなんだよ」と教えてくれる本たちもいる。

 

毎朝聞いているVoicy番組の一つ「荒木博行のブックカフェ」のオーナーである荒木さんが、この前ゲストで出演されていたポッドキャスト「定時までに帰れるラジオ」で、こんなことを言っていた。

 

open.spotify.com

 

献本も含めて月に60冊は新しい本を購入するという荒木さん。でも、実際にその時に読むのは月に10冊程度。あとは積読で、本棚に置いてあるのだという。だけれど、背表紙の本たちと対話することで、自分自身の問が再確認できるという。

荒木さんの書斎には本がたくさん集まってできる小さな生態系「ビオトープ」が存在しているらしい。

言いえて妙だと思った。

たしかに、本棚にある本たちと対話することで、自分の問や関心がクリアになるかもしれない。

 

だから、どんなに電子書籍が進んでも、読みたいと思う本は紙で買うのがベストなのかもしれない。