HONEST

猫好き・植物好き・ラジオ好きの齢31歳。日々の学びや気づきを、ちょっとだけ得意な文章とイラストで自由に記録していきます。

8月18日 変わるものと、変わらないもの

日曜日、



 

暑い。台風一過の昨日が暑いのはまだ分かる。でも今日も暑い。暑いというより不快といった方が良いだろうか。

もともと汗っかきの僕。外を数分も歩けば、毛穴という毛穴から汗が噴き出す。こういう日の日中は屋内にいるに限る。もともとやることもあったからちょうどいい。

若干ではあるが、風が少し吹き始めた午後5時過ぎ。冬企画の広告のネタを探しに本屋へ。こういう時に行くのは、決まって銀座のTSUTAYA。広告系の雑誌はもちろんだが、とにかくネタになるものが豊富で、アイデア探しには持ってこいだ。

「世の中に存在しているジャンルの一番左端から、一番右端までをかき集めたら、こういう本屋になりました」

そんな感じの本屋で、毎回ワクワクする。

最新の広告事例、デザイナーズ年鑑、写真集、エッセイetc...。こういうものを見てると、同じ広告という一つのテーマでも、時代に合わせてトレンドも手法も目まぐるしく進化していることが分かる。だから、常に最新の情報を得ておかないとついていけない。それが広告業界だと思う。そして、それが新しいということを理解するためにも、過去の広告も知っておかなければならない。

 

なーんて頭フル回転で物色していたら、気づけばもう時刻は6時半。次の目的地へ向かう。

びっくりしたのは、もう外が暗かったということ。あれ、つい1,2週間くらい前までは、夜の7時を過ぎても全然明るかったのに、、、。気づかないうちに季節は少しずつ変化しているのかもしれない。真ん丸の月を頭上に仰ぎながら、そんなことを考え目的地へ急ぐ。

 

時刻は夜の8時。ここは、まあセレクトショップ的な場所だ。僕のお目当ては植木鉢と、その植木鉢を置くローテーブルだ。この時間帯だとだいぶ空いていて、ゆっくり商品を物色できる。全然話しかけてこない接客も最高だ。

ふと、僕の視界に男性二人組が目に入る。何やら、ソファやベッド、椅子やテーブルなどを選んでいるようだ。他にお客さんもあまりいなかったので、自然と二人の会話が僕の耳にも届く。どうやら、新居の買い物らしい。

そうか、一緒に住んでいる二人なのかと納得。たぶん僕と同じ年くらいの30歳くらいだと勝手に想像していた。

なんかいいなと思った。ちょっと前までは、同性パートナーとこういう所に堂々と買い物に来ること自体も憚られたのではないかと、ちょっと考えた。場所が場所っていうのもあるかもしれないが、他の客も店員も全然気にしていない様子。僕はむしろ、なんだか幸せな気持ちになってしまった。

 

店を出ると、何やら一つの方向から駅の方向に向かって、若い女性が集団で歩いている。え、どういうこと?と思ったのもつかの間、みんな大きな団扇を持っているのを見ると、近くのアリーナでコンサートがあったのだと悟った。確かに、プラカードをもって案内している人がいた。規模的に、多分地上波とかではなくて、声優さんとかアニメ系のイベントだと思う。持ち物や服装を見ても、そんな感じがした。

こういうのも、ほんといいなと思った。自分が好きなものに愚直で、例えそれがヲタクと呼ばれるものでも、真剣ならむしろかっこいい。

さっき見た同性カップルといい、この女性たちといい、時代は変わったなと思った。もちろん、ポジティブな方向にだ。自分に正直になれる社会に少しずつ変わってきたのだと、そう思った。

 

ただ、それでも変わっていないのは、生きづらさはあるということ。時刻は9時前だ。僕と同じように、やっぱり彼らも身を隠しやすい夜に行動するのだと思う。そこは、まだまだ変わっていないみたいだ。

 

でも、そんなことも何だかどうでもよくなってしまうほど、空には大きな満月が浮かんでいた。だって、まるで「小さいなーお前ら」って笑っているように見えたから。

 

この満月は、今も昔もずっと変わらず人間を見てきたのだと思う。そりゃあ、満月にとっては、地球で起きている小さな変化なんて、蟻レベルなのかもしれない。

 

変わるものと、変わらないもの。共存するこの世界。生きづらさもあるけれど、満月くらいのでっかさで、俯瞰して見れたらいいなと思った日曜日の夜であった。