HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

7月29日 電子レンジがない生活

土曜日、

 

 

あなたがこれまで生きてきて、最も不便に思ったことはなんですか?

僕にとっては、電子レンジなしで1年生活を強いられたことである。

 

僕は大学を途中で休学して、カンボジアで1年間インターンをしていた。最初の数週間はホテルで暮らしていたけれど、1年住むとなると部屋を借りる必要が出てくる。

 

日本とは違って、カンボジアの場合、多くの賃貸アパートが家具・家電付きの物件になっている。僕が実際に内見をした時も、全ての部屋に家具・家電が備え付けられていた。

もしかすると、今はその家電の中に「電子レンジ」も含まれているのかもしれない。ただ、僕が住んでいたのは、今からちょうど10年前くらいのカンボジアだ。首都プノンペンとはいえ、電子レンジがどこに行っても見当たらなかった。

もちろん、売っている電気屋などもあったけれど、終わりが決まっている滞在で、わざわざ高い値段を払って電子レンジを買う必要はない。当時は学生だったこともあり、極力、モノにはお金を使いたくなかった。

 

もともと、僕の家は外食をほとんどしなかった。というか、外食をしているような暇と経済的な余裕がなかったのである。必然的に、料理をすることは小学生・中学生の僕の日常になり、「ご飯は家で作るもの」という習慣がついていた。

 

そんな僕にとって、電子レンジが使えないのは辛いことだった。

冷凍ができない。作り置きができない。同時並行で複数の作業が出来ない。カンボジアは基本的に通年暑いから、極力は火は使いたくないのだけど、ガスコンロしかその方法がないのである。

 

だんだんとテイクアウトや外食の回数が増えていった。

 

でも、だからこそ、良かったこともたくさんある。むしろ、なくて正解だったと思っている。

 

電子レンジがなかったからこそ、色々なお店を開拓できた。

頻繁に外食・テイクアウトをせざるを得なかったからこそ、安いローカルのお店を開拓することができた。

安いローカルのお店に行く必要があったからこそ、英語ではなく現地語を勉強しなきゃと思うことができた。

現地語習得の必要性を感じることができたからこそ、安く教えてくれるクメール語教室に通う決心がついた。

クメール語を英語で学ぶ教室だったからこそ、英語ももっと頑張らないと、と思うことができた。

そして、電子レンジがない生活をカンボジアで送っていたからこそ、翌年半年間滞在したフィリピンでも同じ生活スタイルで問題なかった。

 

 

「前向きだよね」

 

 

根はネガティブだし、結構あれこれと考えてしまう僕。ただ、表に出す言葉や、実際の行動は意外とポジティブなものが多いらしい。

 

これまで上司には、「前向きだよね」というコメントが、人事評価で共通して言われている。

 

ふと振り返ると、「だからこそ」と思うしか方法がなかった経験があるから、そんな姿勢があるのかもしれない。

 

ここ最近、立て続けに大変なことが僕の家族に起きている。そして、昨日は職場の同僚に立て続けにトラブルが発生した。先週の木曜日は、僕がそんな状態だった。朝から寝るまで、全てが悪い方向に転ずるような、そんな日だった。

 

でも、「そんな日があるからこそ、今日が幸せに感じられる」と思うようにしているし、家族にもそう伝えている。

 

もちろんアンラッキーやアンハッピーな毎日が続くのは嫌だけれども、「だからこそ」という言葉を一言付けるだけで、実は心が軽くなるのかもしれない。

 

「だからこそ」の効用だと思う。じつはこの話は、下で紹介するこの本を読んで、自分の実体験やマインドと共鳴するところがあって、この日記に記録したいと思ったのだ。

 

お勧めの本として紹介。