HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

5月4日 猿化を食い止める

土曜日、

 

 

今日も昨日に引き続き新しく本を1冊読了した。日経BPから出ている『冒険の書 AI時代のアンラーニング』である。著者は孫正義氏の実の弟であり、連続起業家というタイトルで、YouTubeなど色々なメディアで出演している。

bookplus.nikkei.com

 

この本を読み終わって真っ先に思い出したのが、僕が小学生だった頃にやっていたドラマ『女王の教室』のある1シーンだ。

福田麻由子演じる進藤ひかるが、天海祐希演じる鬼教師「阿久津 真矢」に対して質問を投げかけるシーン。彼女は、教室の中でクラスメイトだけでなく、教育委員会から派遣されている大人や、校長や教頭も様子を見に来ているその状況を利用したのだ。

 

「どうして勉強しなければいけないんですか、私たち。この前先生は言いましたよね?いい大学に入っていい会社に入ったって、そんなの何の意味もないって。じゃあどうして勉強しなければいけないんですか、私たち」

 

これに対する真矢の回答、これは当時小学生だった僕に突き刺さった。

 

「勉強は、しなきゃいけないものじゃありません。したいと思うものです。これから先、知らないものや理解できないものにたくさん出会います。美しいなとか不思議だなとか思うものにもたくさん出会います。その時、もっとそのことを知りたいと自然に思うから人間なのです。好奇心や探求心のない人間は人間ではありません。

”猿以下です”。」

この言葉を聞いた当時は、とにかくまだまだ自分が未熟なんだな、くらいしか思わなかった。ただ今大人になって改めて聞いてみると、これは子供たちに投げかけているのではなく、むしろ大人に投げかけているということに気づかされたのだ。

というのも、この代表的なセリフの後で、彼女はこんなことを言っている。

「自分たちが住んでいるこの世界のことを知ろうとしないで、一体何が出来るというんですか?いくら勉強したって、生きている限り、分からないことはいっぱいあります。世の中には、何でも知ったような顔をした大人がいっぱいいますが、あんなもの嘘っぱちです。いい大学に入ろうが、いい会社に入ろうが、いくつになっても勉強しようと思えばいくらでもできるんです。好奇心を失った瞬間、人間は死んだも同然です。」

 

www.youtube.com

 

いつからでしょうか。勉強することが強いられることに感じられるのは。小さい時は、外遊びをするたびに新しい発見があったり、何か新しい音を聞くたびに、それが何の音なのか興味を持ったり、目の前のもの全てに対して興味があったと思う。それがいつの間にか、その探求心を失ってしまう。

 

この原因は、今の教育システムなんだと、今回この本を読んで思った。パノプティコンのように監視された環境の中で、皆同一のカリキュラムで勉強させられ、能力が高い・低いで順位がつけられる。そういう強制&矯正環境の中で、絶対的な権力者として君臨する教師というポジションの配下で集団行動を取っていく。そして、その中で偏差値競争が生まれ、とにかくテストで良い点を取ることという座標軸だけが、学びの目的になっていく。

でもそうでもしなければ、少なくとも就職の時に足切りにされてしまうようなラインの上にいる大学には入れないし、その結果お給料がちゃんともらえるような会社にも入れない。

この資本社会の中で生き残っていくためのシステムに生まれた瞬間から巻き込まれていく。これはもうやむを得ないと思う。

 

でも、勉強を強制・強制させられることの一番の悪は、僕たちは何に興味があって、何が好きなのかという、小さい頃に抱いていた純粋な好奇心や探求心がなくなってしまうことだ。その結果、勉強を”しなきゃいけないもの”という風に捉えるようになってしまう。

 

そして、その最たる例が、大人だ。

自分含め、周りにいる大人たち。探求心や好奇心むき出しに日々勉強・学習に意欲的な人ってどれだけいるだろうか?

子どもたちは見ている。どんどん時代が進み、世の中がデジタル化されていく中で、むしろ子供たちのような若い世代の方が僕ら大人よりも優れていることは、これからたくさん出てくると思う。

でも、私たちが唯一後世に残せるもの、それは探求心や好奇心に実直な、この生き様なんじゃないだろうか。

たとえあなたが猿化してしまっていたとしても、あなたの子供を猿化させてはいけない。

改めて自分は何が好きで、何に興味があるのか。そしてそれをどん欲に知っていきたいという強い興味を考えてみてもいいのではないだろうか。