HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

4月7日 俯瞰すること

日曜日、

 

 

渋谷に新宿、秋葉原や池袋、そして東京を飛び越えて大宮や横浜まで。いま取り組んでいるプロジェクトで作っている一部の制作物が、こういったエリアに今後流れるようになる。ビルの上に大きく掲げられているデジタルサイネージというやつだ。

コミュニケーション周りのマーケティングに携わるようになってから、色々な媒体で作った制作物を発信してきたけど、屋外メディアに出稿するのは初めてである。

人々が多く外出する、土日祝日そして次の大型連休であるゴールデンウィーク。このタイミングに合わせて出稿するのである。

決まった時は結構嬉しかったのを覚えている。そして、明日がその最終デザイン・構成打ち合わせ。

事前にできるだけ現場を見ておいて方が良い、そう思った僕は幾つか実際に回ってみることにした。

 

こ、これは結構キツイな。。。

 

最初に思ったのはこの感想である。普段からこういうデジタルサイネージにには常に触れているはずなのに、改めてちゃんと注目してみると、その競合の多さにびっくりする。

確かに目立つ。そして音が流れるやつなら余計目立つ。ただ、映像としても音としても周囲のノイズが多すぎる、、、。ここで目立たせるというのは、相当大変なことだと改めて実感。

 

デザイン構成を確定させる前に実際に見てみて、本当に良かった。自分の記憶の中にある想像に頼らなくて、本当に良かった。

 

視野が狭かった。こういうところに出せるというだけで、少し自惚れていた感が否めない。ひとたび出稿が決まったなら、一歩引いて、じゃあ次は何を考えなければいけないのか、そういう思考を意識したいと思った。

 

そんな折にふと頭によぎった言葉がある。

 

「こんな制作物作ってるんだから、相当多くの人をリードしてるんだね。すごいね」

この前、大学時代の友達に言われた言葉である。その時は、表面上は全否定して、そんなことないよと言っていた。だけど、どこか心の奥では、そうなのかなと思っていたりもした。

ただこれ、本当は大間違いで、正しくは相当多くの人に助けてもらっている、サポートしてもらっている、というのが正解である。

視野が狭かった。自分主体で物事を進め過ぎている気がする。その作業を進行するために、周囲でどれだけの人が動いているかと考えると、想像を絶する。撮影現場だって数十秒のために、監督やADはもちろんのこと、衣装さん、照明さん、フードコーディネーターやメイクさん、その他大所帯だ。

 

そして忘れちゃいけないのは、チームメンバーだろう。正直、このスピード感で進めるのは、結構しんどいと思う。同じエネルギーを維持してくれていることを忘れてはいけない。

 

こういったことをあれこれ考えていたら、東大の上野千鶴子さんの祝辞を思い出した。当時、上野さんは新東大生への祝辞の中で、こんなことを話している。

以下引用である。

「あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください」
「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください」

 

もう、本当にその通りだと思う。自分が今何かに一生懸命に取り組めているのは、努力は必ず報われると信じているからであって、そんな風に思えることそのものが、そうすれば報われるようにしてくれた環境・周囲のサポートがあったからなのだ。

 

常に俯瞰することを意識したい。