月曜日、
小学生の時、ランドセルに「無事カエル」というストラップをつけていた。
今の子供たちは、無事カエルの代わりに防犯ブザーなのかな?防犯ブザーは、僕が小学校高学年くらいの時に初めて配られたから、ランドセルにつけるものとしては、どちらかといえば無事カエルだった。
別にプラスチックとかセラミックとかで作られているわけじゃなくて、布と紐で縫ってあるだけだから、結構脆そうに見える。
ただ実際のところは意外と丈夫。
どんなにランドセルを投げても、ぶつかっても、雨にぬれても、しぶとくランドセルについていた。表情一つ変えず、ずっとついていた。
だからだと思う。信号待ちで手持無沙汰になると、左手をひょいっと後ろに回して、無事カエルをなでる。なでるというかいじくる。
信号が青になればまた歩き出し、止まるとまた無事カエルいじりが始まる。別に、何の効力もなかったと思うけど、なぜか触りたくなってしまう、そしてないと不安になるようなものだったと思う。
何もしないで、表情も変えないで見守るってすごく難しい。
まだ7月なのだけど、仕事上、すでに今年の年末の企画について検討している。僕は本格的にこの冬からは、マネジメントの立場として見守ることとなった。
今日は、広告代理店との会議の第一回目。これまでは僕が全て仕切って、会議を回していたけれど、今日からは全て見守る立場。
うん、何度も何度も発言をしようと思う機会があったけど、そこはグッとこらえた。なぜなら、ここで僕が出てしまうと、それは見守るではなく、甘やかすことになるからである。
表情もなるべく変えずに、淡々と会議に出席し続けた。
いやあ難しい。無事カエルの忍耐力、あなどれない。