HONEST

猫好き・植物好き・ラジオ好きの齢32歳。日々の学びや気づきを、ちょっとだけ得意な文章とイラストで自由に記録していきます。

10月6日 噴水と金太郎飴

日曜日、

 

 

自分でもなぜか分からないのだけれど、時々無償に聴きたくなる曲がある。

二つともピアノのクラシックの曲で、一つはショパンの『ワルツ第1番変ホ長調 作品18 華麗なる大円舞曲』。

もう一つは、メンデルスゾーンの超有名曲『結婚行進曲』である。

ショパンも、メンデルスゾーンも、実家にピアノ曲集のCDがあり、確か僕がお腹の中に居たときから、母がよく聴いていたという話は聞いたことがある。そして、小さい頃も自宅で仕事をしている作業中のBGMに、よく流れていたのを覚えている。

きっとこういう部分が影響しているとは思う。

でも、なぜかこの2曲が特に好きなのだ。

まず両方とも、音がダンスを踊っているように、心からのワクワク感を表現しているところが好きだ。もう何も言うことなく、楽しそう・幸せそうな調べに、聞いているこちらも心が躍り始めるのである。

そして、留めておくことができないエネルギーを、ピアノの音がなる瞬間に解き放っているような、そんな前のめりな雰囲気がたまらない。

華麗なる大円舞曲も、あの三拍子のワルツの有名な調べの中で、同じリズムが繰り返されればされるほど、後半にエネルギーが集まって、「もう留めておけないよ~」っていう感じのエネルギーの爆発加減がたまらない。なんといっても、最後のフィナーレは圧巻だ。

同じくして結婚行進曲も、ハ長調という馴染みのある明るい音楽も後押しして、有名なフレーズが最後にもう一度繰り返される時に、金色の幸せオーラが解き放れている感じがする。

 

僕はこの2曲を聞くとき、いつも「のだめ」を思い出している。もう、心から音を楽しんでいる、そんな彼女のスタイルと、この2曲は非常にマッチしている。

もう言葉に表現できないくらいの、音楽が大好きだ!っていう気持ちが爆発している感じがたまらなく、それを表現しているのがこの2曲だと思っている。

この2曲は、「のだめ」と「噴水」を毎回イメージする。音の噴水だ。

 

そんなことを書いていたら、吹奏楽をやっていた当時のことを思い出した。体からあふれ出てくるエネルギーや気持ちを、しっかりと音に乗せて届けたいとき、金太郎飴をイメージするように、とよく言われていた。

つまり、どこでタンギングをしても、同じ音形・同じ音色・同じ音圧で常に響かせるように演奏することを意味する。自分自身の体が音を生み出すぶっとい筒で、舌が金太郎飴をカットするスライサーである。

スライサーがストンと落ちても、またすぐに、というか切られたことを知らないくらい、むしろフライング気味でまた飴が押し出される。

ピアノとはちょっとまた違うけれど、

「溢れ出るエネルギーを、どこに解放していいか分からず、それを全て音に乗せちゃいました!もう音楽って最高に楽しいです!」

っていう感じの演奏を聴いていると、息をのむというか、息をするのも忘れてしまうくらい聞き入ってしまう。

のだめであり、藤田真央さんであり、須川展也さんであり、大好きな音楽家たちの演奏を、今日は聞き続けた一日だった。