HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

7月3日 言葉にならない感情は

月曜日、
 

 
今週から週頭の月曜日を在宅勤務の日に設定することになった。やっぱり、休み明けが在宅ってなると、少しだらける気がする。そんな時に、スイッチを入れてくれるのが、音声メディアである。
 
iPhoneの音量を半分よりも、少し小さいくらいに設定をして、ノイズキャンセリングイヤフォンでながら聞きを楽しむ。中身がないんだか、あるんだかよく分からないような雑談が、妙に耳に心地よい。
 
特に、今日はデータベース上に眠っているデータを掘り起こすために、SQLを書いて、書いて、書きまくるという作業だったので、こういう没頭するためのコンテンツとアイテムは必須だ。
 
昼休憩はもっぱら音声小説の時間。そうそう、先週からずっと聞いていて、たぶんきょう聞き終わるだろうなと思っていたものがあったのだ。
一穂ミチさんの『光のところにいてね』
本屋大賞界隈でもニュースになっていたので、割と有名だと思う。でも、僕は読んだことがなかったので、今回が初めてだった。
最初は世界に入るまでに時間がかかったけど、時間が経過するにつれて圧巻だった。
 
ネタばれになってしまっても良くないから、ここではあまり内容には触れない。むしろ、小説を聞き終わった後に、ポッドキャストで聞いた一穂ミチさんのインタビューについて、ちょっと書きたいと思う。
 
一穂さんが、小説を書く理由。それは、言葉にできない思いを紡ぐため、とのことだった。
ん?小説にしている以上、もうそれは言葉なのでは?と思う人もいるかもしれない。ただ、小説の中では登場人物たちが直球ストレートに
「私は〇〇だと思いました」とか
「こういう背景があって、〇〇の気持ちになりました」なんて、書いていないと思う。
 
登場人物たちの会話、情景描写、オノマトペ、時間の流れ、みたいな感情とは別の表象が感情を表現している。
特に印象的だったのが、メインの主人公である2人の女性が互いに惹かれあっているような、そういう描写。どことなく、二人が愛し合っているような雰囲気は出ているのだけれど、何とも言えないドキドキする気持ちと、切なさと、そして強い結束のようなものが感じられた。
こういうシーンでも、「好き」とかそういう言葉で簡単に語られてしまうと、一気に陳腐化してしまうと思う、というより、私たちの感情ってそんな簡単に言葉にできないと思う。
 
「みんなおんなじ人間なんだから、べつに同性が好きになることだってあるでしょう」
と、一穂さんはインタビューで語っていた。
 
実感として、僕は本当にそうだと思うし、でもそれを言葉にすると伝わらないんだと思う。だから、僕もこうやって何だか毎日を綴っているのかもしれない。
 
 
だから小説、そして小説に留まらず、詩歌、合唱曲、音楽、こういう表現するものというのは、美しいし、「共鳴」する感覚が得られるのだと思う。
 
美しく、強く、たくましく、みずみずしい表現や描写がいっぱいのこの小説、是非読んでみてほしい。