木曜日、
「なるほど。では、私はどうしたらいいですか?」
「わかりました。相手には、何て質問したらいいですか?」
「あ、まだデッドライン決まってないんですね?では、だいたいのデッドラインはいつになりますか?」
最近、よく後輩から聞かれる問いである。
はじめは、そりゃあ何も分からないわけだから、一つ一つ丁寧に教える必要があるということは分かっていた。だからそうしてきた。ただ、だんだんと分かってきた。
自分の頭で考えることを一切やっていないと思うのだ。
これまでも、この日記に書いてきたように、今年の冬のプロモーションはイレギュラー中のイレギュラー対応を迫られている。
TVCMの放送中止。
普段一緒に仕事をしている代理店の起用不可。
それでいて、かけられるプロモーションコストに変更はなく、全て使い切らなければいけない。
昨年とは全く違う状況の中で、一つ一つ手探りで進めていかなければいけない。もちろん正解はなく、こっちの方向で正しいんだろうな、という風に歩みを進めつつ、要所で意思決定者の判断を仰ぎながら、三歩進んで二歩下がる、つまり一歩は確実に進んでいるという、そんな状態だ。
こんな難しいタイミングの時に、新たに春にうちのチームにアサインされた社会人二年目の後輩は、正直運が悪かったと思う。
だれも答えを持っていないから、後輩に指示が出来る人がいない。
既存メンバーとしても、その後輩が出来ることを考えて、それをお願いしているというところだ。
仕事全体の大きな絵を示して、今お願いしているものが何かということはいつも話をしている。
さすが旧帝大出身ということもあって、一言うと十以上を理解してしまう、っていう頭の回転の速さも影響しているのかもしれない。
「で、私はどうすればいいですかね?」
それを考えることから仕事なんだけどな、というのはグッと堪える。
ただ、
「では営業部に対して、私は何を質問すべきでしょうか」という問いに対しては、耐えられず笑ってしまった。
質問文を考えて渡すことなんて、ChatGPTだってできる。目的と達成ゴールから逆算して考えてほしいという風に話してしまった。
確かに、綺麗なスケジュールが敷かれていて、一つ一つの作業にマニュアルが準備されており、それをこなしていくと最後は仕事が終了している、何て言う風なものがあれば素晴らしいと思う。
恐らく、社員の勤続年数が長いようなメーカーとかだと、このあたりがしっかりとしているのだと思う。ただ、今僕が居る会社はその真逆にあるような組織だ。ほとんどが中途採用で、自分の頭で考える、というよりその人の知識・経験に上乗せして個性を出しながら働くことが求められている。
個性を出すというのは、つまり自分なりに考えて行動する、ということだ。
タイパ、コスパを考えたら、いちいち考えるのは効率悪いだろう。ただ、だったら人間なんていらない。あなたの代わりなんて、世の中にたくさんいる。
とか書きつつも、かくいう私も20代前半の頃は「給料泥棒やってんじゃねぇよ」と怒られたこともある。
私自身、考えて仕事を回していこう。