金曜日、
今日から一応お盆休みの始まりだ。ただ、僕は8月頭からコロナで休んでしまった分、仕事が終わっていないため、会社には行かないけれど残務処理をこなすことになる。
今日はその1日目だ。
ただ、やっぱり体と心は正直みたいで、今日が休みだと認識すると、一気に重力に負け始めてしまう。取り掛かること自体には、さほど労力はかからなかったけれど、全然集中力が持たず、一つ一つの作業に無駄に時間がかかってしまった。
とりあえず今日終わらせる分は完了!となった時には、もう午後というより夕方に差し掛かっているような、そんな時間だった。時間を無駄にしてしまった感じが否めない。
幾つか行きたいところがあったけれど、この時間だし、ということで、銀座SIXのTSUTAYA書店に情報収集に行く。年末のプロモーションで使うキャッチコピーやキービジュアルのアイデアに悩んでおり、とにかく何かアイデアが欲しかったのだ。
銀座?この祝日に?
確かに、普段の土日には銀座には絶対近づかないようにしている。窒息してしまう。ただ、大型連休の前半は普段混んでいる都内のショッピングエリアは、割と空いていることが多いのだ。
予想的中。もちろん空いてはいなかったけれど、全然立ち読みすることは可能で、イヤホンさえつけていれば、もうそこは完全に一人のアイデアインキュベーションスペースになった。
デザインや絵画、広告関連の本を物色していた中で、ふと目に留まった一冊。
タイトルは忘れてしまったのだけど、「死」を共通テーマに、今は亡き偉人達が死について語った言葉が、名言集としてまとまった本である。
その中で、樹木希林さんの一言に胸を打たれた。
”誰でも「いつかは死ぬ」じゃなくて、「いつでも」死ぬのよ”
生きとし生けるもの、いつかはみな死ぬ、そうじゃなくて、
私たちはみんな、いつでも死んじゃうのよ。
日常に死を隣り合わせにして、毎日を覚悟して生きないとね。
こういう風に言っているような気がした。
最期は全身に癌が転移されていた、樹木希林さんが語っているということで、この言葉の重み、正当性、性急性が増していると思う。
あなたのその命、いつでも簡単になくなっちゃうんだよ、って言われたとき、
あなたはどう思うだろうか?
「もういつ死んでも後悔はない。良く生きた」って言えるだろうか。
死ぬ瞬間に、
「長い間お世話になりました。どうも、ありがとうございました」って感謝を言えるだろうか。
無駄な時間なんて一秒たりともないんだなと、この言葉を知って恥ずかしくなってしまった。
私を筆頭に、日本だと、どうしても平和ボケしてしまう人が多いと思う。
いつでも死んじゃうんだ、そう思って毎秒生きようと思った。