火曜日、
今日は朝から少し緊張していた。
というのも、とある兵庫県の企業様を、お客様として会社にお呼びすることになっており、僕はマーケティング部署を代表して、プレゼンする予定だったからだ。
そのお客様は、僕の会社のサービスをずっと愛用してくれている企業様であり、他の利用企業にとっても、ある意味インフルエンサー的な立ち位置になっている。
利用企業様は、うちの会社のサービスを通じて、消費者に商品を販売できたり、プロモーションできたりするのだ。
今回は、そのサービスの一部を改修するにあたって、ずっと使ってくださっているその企業様に、ご意見をお伺う目的で、商談することになったのだ。
このためだけに、わざわざ兵庫から東京まで来てくれるのは、本当にありがたい。
思っていたよりも気さくな方で、今年42歳。年齢を感じさせないCEOである。もう一人、マーケティングの最高責任者であるCMOが一緒に来てくれた。この方も、年齢は40過ぎとのこと。
開口一番、
「いやぁ、あのサービスね、まずもう名前がダサすぎやろ」
おおお、なかなかインパクトあるなぁ~とちょっと驚愕。そんな感じで商談はスタート。
しょっぱなが僕のプレゼン。なんか面倒なこと聞かれたらいやだなぁと思っていたら、そんなことなくて、むしろ興味津々で前のめりに聞いてくれた。
その後も、別の部署が幾つかプレゼンをしたのだけど、本当にその場が湧きたつというか、双方向のプレゼンになるような、そんな素晴らしい雰囲気だった。
特に僕を感動させたのは、そのポジティブさだ。
確かに、商談の冒頭で、そのサービスの名前を酷評していたけれど、それは自社の「らしさ」が全く現れていなかったから。
色々話を進めていくと、
「御社は、こういう他の会社は持っていないところがあるのに」とか、
「これとこれを組み合わせたら、もっとお客さん来るで」とか、
とにかく、僕の会社のことを否定するのではなく、どうやったら良くなるのかということを真剣に考えてくれていた。
そしてやっぱり経営者ということもあって、無理難題は言わない。ちゃんと現実的で、スピード感を持って対応できることに焦点を当てている。
極めつけは、
「確かに、この商品は、春夏には需要がないかもしれない。ただ、それは今のスペックだと需要がないだけで、春夏にも需要がある商品を開発すればいいだけの話やろ」
なるほど。
僕たちは、何か大きな壁にぶち当たると、それはもう、そういうものとして受け入れて、あきらめてしまいがち。そこから視線をずらして、他のものに視点を移しがち。
「需要がないなら、作ればいい。それを一緒にやりませんか」
先方のCMOが、マーケティングを担当している僕に、最後に放った一言。心にしみた。
僕は今ちょうど30歳。あと10年後に、あんなにポジティブなアラフォーになっているだろうか。
将来を憂いても仕方がないから、今をポジティブに生きることで、気づいたら、今日会った二人みたいになっていたらいいな。
おやすみ