木曜日、
帰りの電車で、本を読んでいるはずなのに、文字だけ追って全く頭に入ってこない。
駅から家まで歩いている間、大好きなポッドキャストを聞いていたはずなのに、何を聞いたのかさっぱり覚えていない。
家について、口に何かを運んでいるのに、全く味がしない。お腹が満たされない。
「悲しい」
この感情は、僕の身体にここまで影響するとは、想像もしていなかった。
異性・同性それぞれに恋愛的な興味を抱きづらい体質ということもあって、僕は基本的にプライベートは1人だ。
だから、新しい出会いも少なければ、離れていく関係性も少ない。
きっと免疫が出来ていなかったんだろう。
小説が大好きで、小説の中では、あれだけ出会いと別れを経験していたのに。やっぱり肉体的な物質を伴うリアルな世界での出来事は、小説の中の出来事とは程遠い。
今日、2つの別れに直面した。
1つ目は、同期が知らない間に退職していた、ということだ。
今の会社は中途入社だから、基本的に同期はいないはずなのだ。
ただ、偶然まったく同じ日に入社をした2つ上の女性社員が居た。所属グループは違うけれど、部署は同じで、オフィスで会えば必ず話をしていた。
周囲とも全然つるまないし、とてもサバサバしている。そして、割と派手目なファッションということもあって、話しかけづらい雰囲気はある。ただ、一回話し始めると、大阪訛りの関西弁で、とても軽やかに話してくれる。
こういう同期が居てよかった、と思った。
ただ、GW明けから休職状態になって、そして8月末をもって退職となったとのこと。心療内科にも通っていたようで、なんで気づいてあげられなかったのかなぁと思ってしまった。
悲しい。
追い打ちをかけるのは2つ目の別れだ。
直属の上司が産休に入るということを、今日突然知らされた。その上司は、今の部署にもう4年以上在籍しており、顔も広く、知識も豊富。歩く辞書のような人だ。
この人も、かなりサバサバ系で、注意もしっかりする。姉御肌だ。
GW明けくらいから、会社に姿を見せなくなり、
「なんかあったのかな?あれ?引っ越したんだっけ?」とヒソヒソ。
実は、ご懐妊だったということだ。もともと持病があるので、大事をとって基本的に在宅勤務をしている。
そして、産休まであと2カ月ということで、今日正式なアナウンスがあった。
最終面接後のカジュアル面談。そこで担当してくれたのが、この方で、僕はその時、
「この人と一緒に働きたい」と強く思い、それで入社を決意した。
本当に、ツーカーのような感じで、息が合う上司だったから、悲しい。
悲しい。
おめでたいことだけど、悲しい。
そして、そのポジションを、玉突き人事で僕が継ぐことになった。
心の汗が止まらない。
こんな心に波風が立った日は、文章を書かずにはいられない。
美しい音楽も、楽しいラジオも、泣かせる小説も、何も入ってこない。
ただただ、悲しい気持ちをこうやった吐露する。それが日記というものだと思った。