火曜日、
もし、あなたにその知識があったなら、あの人を傷つけなかったかもしれない。
もし、あなたにその知識があったなら、あの人を救えたかもしれない。
自分が無知である、ということに自覚的になれたら、
もっともっとメディアに触れようと思うんだろうな。
「化学物質過敏症」という病気を知っているだろうか。
お恥ずかしいことに、僕もこのポッドキャストと朝日新聞デジタルの記事を読むまでは、全く知らなかった。
柔軟剤や整髪料に使われている、香りを持続させるために使われている化学物質。
これに過敏に反応してしまい、手足が震えたり、呼吸困難になったり、意識を失ってしまったりする、恐ろしい病気だ。
どちらかというと、最近は香りを持続させるような商品が、どんどん増えてきていると思う。
特に、コロナ禍を経て、香りに拘りをもつ消費者に対して、香りを強化した柔軟剤、芳香剤、洗剤、消臭スプレーなどが増えたと思う。
今回この記事で紹介されている大関さんは、結果として職を失ってしまった。
この病気のことを良く知らない職場では、環境改善が見られず、それどころか
「市販の商品を使って何が悪いんだ」と、
逆に叱責されることもあったという。
化学物質に攻撃されるだけでなく、理解のない会社からも精神的に攻撃を受けていたのだ。
ただ、僕がそうだったように、こういった病気の存在は、知識がない限り認知することはできないと思う。
記事によると、化学物質過敏症の患者は、70万人~100万人ほどとの推計もあるとのこと。NPO法人「化学物質過敏症支援センター」には、年間約2千件ほどの相談が寄せられているが、相談が多すぎてちゃんとしたサポートができていないのが実情らしい。
これまでの僕の30年間。少なくとも1回くらいは、この病気を抱える人とすれ違っていると思う。
もしかすると、もっと狭い空間で一緒になっていたかもしれない。
つまり、知らない間に加害者になっていたのだ。
そして、知っていたら助けられたかもしれないのだ。
今回の一連のこの記事。
実は朝日新聞読者からの投稿がきっかけだったらしい。この記事で取り上げられている大関さんの知り合いが、朝日新聞に情報を提供。
それを受けて記者が取材し、記事にした。
すると、
「私もこの病気でずっと悩んでるんです」と、想像以上の反響があったとのこと。
そして、今回こうやってポッドキャストでもこの情報が発信され、
僕のような人にも情報が届いた。
メディアの役割、情報の好循環というのはこういうことなんだろうと感じた。
だから、この日記を読んで下さった皆様も、
知らぬ間に加害者にならないように、そして、
だれかを救えるように、新しい知識として知っておいてほしい。