日曜日、
「なんかお花教室の生徒さんから、リンゴとか卵とか、それにメープルシロップまでもらっちゃって、、。これはもう、何かお菓子を作りなさいっていうお告げなのかもね」
そんならLINEが母から入っていた。どうやら、生徒さんから色々と食材を頂いたようだ。
母が開いているお花教室では、レッスンの最後にお茶の時間がある。コーヒーかハーブティー、そして自家製スイーツをお出しして、お教室の後にリラックスしてもらうのである。
お茶をしていく、していかないは任意だけど、100%全員お茶をしていくという。中には、フラワーアレンジよりも、このお茶の時間を楽しみにしている人も居るというから、驚きである。コロナ禍は、お花教室は皆の息抜きとして開き続けていたものの、飲食はなしということで、昨年末くらいからやっと復活したのである。
「ねぇ、喫茶店開くの、真剣に考えてよ」
ここ最近、こういう生徒さんが多いらしい。母は、自分自身も1人で喫茶店に行ってボーっとするのが好きな人だから、きっと心のどこかではいつかできたらいいな、と思っているんじゃないかな、と僕は思う。
喫茶店を開く、実は僕の将来の夢でもあるのだ。
ちょっと話が変わるけど、意識して努力しなくても出来てしまうことって、誰しも一つくらいは持ち合わせていると思う。
運動が得意な人、歌が上手い人、数学が得意な人、そういう類の話だ。
僕にとってのそれが、実は料理とお菓子作りなのである。
多分小さい頃から母が料理をするのを毎日横で見ていたことと、途中シングルマザー家庭になって僕が料理を担当せざるを得なくなったこと、これが影響しているんだと思う。
あとは、異常に発達した嗅覚と味覚もあるかも(笑)
まあそれで、1職目は食品メーカーで、外食チェーンに提案営業する仕事を選んだっていうのもある。
「〇〇を何g、××がしんなりしてきたら、、、、」みたいな記述がある時に、
「いや、それって多分そのタイミングよりも、もっと前でいいし、あとちょっと入れすぎじゃない?」と思ってしまうこともしばしば。
そして何より、料理やお菓子作りは、美味しいとか見た目が良いとかだけじゃだめで、いかに洗い物を減らすかとか、時間を短縮するかが求められる。
だって、焼成中に洗濯物を取り込んだり、夕飯の米を研いだり、お風呂を洗ったり、やることはいっぱいあるから(笑)
実は、母のお花教室でのお菓子、現職に移るまでは僕が7割作っていた。40代以降のお姉さま方が中心だから、小麦粉を使わないとか、バターを使わないとか、そういうものが刺さるのである。
純粋にそういうレシピも、これをこっちの材料に変えたらどうなるんだろう?っていう実験みたいで、それが面白くて続けてきたようなものだ。
でも、こういう料理好きやお菓子作り好きが、喫茶店を開きたい1番の理由というと、実は違くて。
僕は、特定の誰かと仲良くしたり、恋人になったりして、特別な関係になることが最も苦手なのである。ここ数年感で、「アセクシュアル(無性愛者」「アロマンティック(誰にも恋愛感情を抱かない人)」という言葉が出てきたことで、僕がそこに該当することが分かった。
そもそも、あんまり人を嫌いにならない性格で、そしてどんな人でも好きになってしまう性格だ。ただ、そこに恋愛感情とか性的な魅力を一切感じない。
だから、小さい頃から特定の誰かとグループを組んだり、恋人関係になると、窮屈過ぎて涙が出てしまう性質だった。
喫茶店のオーナーはお客様に対して平等に接することが期待されるだろう。これ自体が苦手という人もいると思うが、僕はこれこそ全く努力せずにできてしまうことだと、自覚している。
でも同時に、だれかを心から好きになるということが、努力をしてもできない。
そんな僕が一番やってみたいなぁと思っているのが喫茶店。でも、相当厳しい世界であることは分かっているし、そのためにはまずビジネスの下地がないとだめだ。
前職で業界周りの知識は身に着けることが出来た。独立する上で欠かせない、そしてこれからの時代欠かせないwebでの販売やマーケティング、マスメディア・ソーシャルメディアを使ったPR、今の会社ではそれを学んでいる。
10年後、15年後、30年後かもしれないけど、その時の夢を想像して、今を頑張っていきたいと思った。