HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

5月12日 『毎日が幸せ』9割超

日曜日、

 

 

あなたは今、幸せですか?そう質問されたら、なんと回答できるだろうか。

幸せ、概ね幸せ、まあまあ幸せ、あんまり幸せじゃない、全く幸せじゃない。5つの選択肢があったとしたら、僕は真ん中の「まあまあ幸せ」を選択するだろう。

時間やお金、欲しいものが全て手に入ったら幸せだとは思うけど、それでも〇〇さんに比べたらいい生活を送れているのかもしれない、紛争地域に住む人からしたら、僕の生活は幸せなのかもしれない。

そうやって相対的に考えてしまう。

絶対的に考えない限り、満額回答で幸せなんて言えないと思う。でも、同じ質問をダウン症の当事者の方々に投げかけてみると、9割が毎日幸せという風に回答した、というアンケート結果がある。

このアンケート結果を聞いた時、こういう命を大切にしたいと切実に思った。

 

www.asai-hiroshi.jp

 

出生前診断の話である。生まれてくる赤ちゃんに知的障害があるかどうかを、染色体の異常状況から事前に判断する診断。この診断によって、何らかの障害がある可能性が高いと診断された場合、ほとんどの女性が赤ちゃんを堕胎するのだという。

 

今の世の中、障害を持つお子さんを育てていくのは、並大抵のことではないと思う。健常児でさえ、この忙しい中で育てていくのは困難を極めるのだから、なおさらだ。だから、この検査を受けるという判断をしたこと、そして診断結果を聞いて諦めるという決断をすること自体に対して、当事者でもない僕がとやかく言う権利はない。

 

ただ、冒頭に紹介したようなアンケート結果を知ってしまうと、幸せな人生を摘み取ってしまうこと、命の選別なんだなと思ってしまう。

韓国が最たる例だと思うが、生まれた瞬間から競争が始まると言われている。もちろん健常児の場合だ。超学歴社会で、幼少期から色々な習い事をさせて知識・才能を身につけていかないと、将来食っていけないという。

それぞれ子供には個性があって、その個性を認めるべき、みたいな綺麗事は、もはや戯言なんだろう。子供もそうだし、親だって周囲との水平比較の中で毎日窮屈に生きているのだと思う。

人が悪いのではなく、こういう社会構造にメスを入れるべきだと思う。日本も似たようなものだ。偏差値、才能、見た目、ルール、媚び諂い。みんな同じスタートラインに立ったと思ったら、その瞬間にもうレースが始まっている。そういう社会で暮らしていかなければいけない僕らが幸せと思える瞬間は、実は死ぬまでやってこないんじゃないだろうかと思う。

 

翻って、紹介した記事で取り上げられているダウン症の当事者の方々。今日聞いたポッドキャストでもそうだったが、どんなに暑くても、寒くても、雨でも、晴れでも、そんなの関係なく気分が良い時は気分がいい、幸せな時は幸せなのだ。よっぽど、人間らしい生き方をされていると思う。

 

この社会、そんな簡単なこと言えないことは重々承知だけど、でも彼らの生き方や姿勢から、僕らが学ぶことは沢山あると思う。

 

そして、当事者の家族だけが悩みを抱えるような冷たい社会の風潮と、能力主義がはびこる社会構造があることも、理解はできなくても現実を知っておかなければいけない。もちろん、当事者の方々が本当に毎日幸せに暮らしている、ということも。

 

誰のための出生前診断なんだろうか。

 

この問いから、社会の構造を今一度考えてみたい。

 

omny.fm