HONEST

猫好き・植物好き・ラジオ好きの齢32歳。日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

12月8日 全身鏡

日曜日、

 

 

寒い、突然寒い。

ここ東京もついに本格的な冬がやってきたようだ。じわじわやってくるのではなく、突然やってくるから困ったものである。

こんな日は、裏起毛の上下スウェットを身に着けて、一日中ぬくぬくとステイホームしたくなる、人もいるかもしれない。ただ僕は基本、家事と語学レッスンを受けた後、すぐに家を出る。仕事が終わってないから、スタバで作業をするのである。近くの店舗ではなく、地下鉄でオフィス街まで足をのばす。土日、特に日曜午前のオフィス街は、比較的静かで空いているのだ。

実家暮らしだった大学生の頃は、「靴を履かない日」というのを定期的に作っていた。その名の通り、靴を履かない=家から全く出ない日だ。

服もテキトー、髪もテキトー、別に目が見えてなくても大丈夫だからコンタクトもしない、ご飯もお腹が空けば食べるし、空かなきゃ食べないというテキトーぶりだ。でも、そんなチートDAYがあったから、また翌日から頑張れたとも記憶している。

ただ、今はどちらかというと、もしそういう日を作ってしまったら、もう立ち直れないと思っている。だからこそ、台風や豪雪でなければ、基本的には都心に繰り出すことが多い。

今日みたいなこんな寒い日でも、東京の中心地は人でごった返している。三者三様、それぞれ全然違う人が一堂に会しているから面白い。

カフェで隣に座った女性、たぶん大学生だと思う。ノートとipad、それに本を重ねて課題に勤しんでいる。フラペチーノを飲みながら、ブルブル震えている。きっと寝ないようにしているんだろう(笑)

図書館の閲覧席に座っているいかつい中年男性。見るからに悪そうなんだけど、読んでいる本が、ブレイディみかこさんの、『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』である。なんだか愛おしい。

高級ブティックが軒を連ねる銀座。全身スウェットで、どこのスポーツブランドのものでもないっぽい。たぶんユニクロとかだろう。ただ、姿勢が良くて多分鍛えているんだと思うけど、歩く広告塔のような人だ。

 

ああ、こんなに寒い日にも、こんなに外に出ている人がいる。そして、全然違う周囲の人を見ると、翻って自分はどう見えているんだろうと思い立ち、背筋が伸びる。

この街東京は、全身鏡のようだ、とそう思って、僕は歩みを進めた。