HONEST

齢31歳。音声コンテンツ好きの僕が、日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

7月7日 変わることは良いことなのか

日曜日、

 

 

東京都中野区。JR中野駅北口から出て中野サンモール商店街を進む。アーケードが終わり、駅前とは言えなくなってきた辺りにひっそりと佇む一見のジャズ喫茶。コロナが始まる前まで、僕は隔週レベルで週末にそこに通っていた。

当時はまだそこまで有名ではなく、昼と夕方の隙間くらいに行けば空席もあって、明日からまた始まる平日に抵抗するかのように、珈琲をお代わりにしながら数時間滞在していた。いつも外は真っ暗になっていた。

 

コロナを経て、あれからもう4年は経っている。最近中野に引っ越した友人に会いに、久々に降り立った。

住所ここだから、と言われて地図アプリで検索。

おや?ここって、あのジャズ喫茶とめちゃくちゃ近くないだろうか、というかむしろ同じ通りじゃないだろうか。

なんという偶然、これはもう行くしかないかとそう思っていた矢先、駅に降り立った瞬間、灼熱の暑さにむせ返る。とりあえず先に今日のやるべきことをやろう、ということで友人宅へ。

 

気づけばもう20時5分前。本当は19時には帰る予定だったがつい長居してしまった。お糸ました矢先、少しはマシになった暑さが囁くように僕に思い出させた。

 

あのジャズ喫茶の前を歩いてみる。もう閉店の時間なのだろう。最後の客を見送っている最中であった。ちょうど中から道路側を見て最後のお客さんと楽しそうに会話しているオーナー夫婦の顔が見える。

ちょっと歳取ったのかな?とは思ったものの、控えめだけど笑顔が素敵な二人は特に変わっていなかった。

柔らかいオレンジ色の照明も、ほんの少しだけ漏れるジャズ音楽も、木目調で統一された部屋も何も変わっていなかった。

最近SNSを中心に少し有名になった気がする。それでも、昔から足繫く通うお客さんは、きっと変わらない常連さんなのだろう。今日見た最後のお客さんも、朗らかに会話をする感じから想像するに、長く通っているお客さんなのだと思う。

 

そういえばこの中野という街。駅前は開発が進み、4年前とはだいぶ違う印象を受けるところもあった。そして、前よりも学生が増えたなっていう印象もある。

それでも、この商店街、それから駅から離れた住宅街に漂う雰囲気は、特に変わっていなかった。

 

どうして僕はここに通わなくなってしまったのだろう。もちろん、当時と今とでは同じ都内でも住んでる場所が違うから物理的にという理由もある。でもそれよりも、実は僕自身が変わってしまったんだと思う。

この街、ジャズ喫茶、雰囲気は特に変わっていない。だからいつだって両手を広げて待っているはずだ。その手を振り払っているのは僕なのかもしれない。

時代とともに進化し続けること、変わっていくことは常に求められる。でも、変わっていくこと、過去ではなく未来にだけ目を向けることは良いことなのだろうか。

 

少し考えた日曜日だった。