火曜日、

東京都三鷹市。以前住んでいてた台東区エリア、今住んでいる品川エリア。このどちらからも遠いのだけれど、今でも少なくとも年1回は訪れる場所である。2024年としては、今日の訪問が最初で最後であった。
このエリアに行く目的は二つある。
一つはカフェ。当時、頻繁に通っていたカフェがある。お気に入りのポイントは、お喋りが禁止であること、パソコンやスマホの操作も禁止であること。現金のみ支払い可能。それでいて、オーナーが非常に癖がある。
吉祥寺に近いこともあって、若いカップルが訪れることもあるのだけれど、大体そそくさと帰ってしまう。
カフェの内装は、古い洋風の家具が飾られていたり、そうそう、電気も全てランプだったり。椅子とテーブルも一つ一つ全部違っていて、傾いていたり、ギシギシ音を立てたりしている。
まるでここだけ異世界にあるかのような、そんな感覚になれる。文字通りの非日常。
前職時代、土日が雨だと必ずここに来ていた。大きな公園のすぐそばにあるから、雨が降ると公園で遊んでいる人がいないから、ふらっと立ち寄る客もいなくて、絶対空いているのだ。
2,3時間滞在していて、また45分くらいかけて自宅まで帰っていく。ここでまた明日から始まる1週間に向けてリフレッシュしていた。
もう一つは本屋。三鷹の駅からとにかく直線でずっとずっと歩いていくと、ひっそりとたたずむ一件の個人経営の本屋が現れる。
大型書店やチェーン店が扱っているような本は基本販売しておらず、ZINEだったり著者の直筆サイン入りの本が売っていたりする。
旅・詩歌・思想・哲学・ジェンダー・セクシュアリティ・人種、こういった類の本が小説やドキュメンタリー、エッセイまで並んでいるのだ。僕が大学生の頃に入っていたゼミがまさにこういうものを扱っていたこともあり、どんぴしゃりなのだ。
実は2年前、この店で開かれたトークショーに参加したことがある。小さなお店なので、観客も7人限定だった。
アットホームで静かな雰囲気なのだが、参加者一人一人が意見を持っていて、その意見がまたユニークでとても愉快な2時間だったと記憶している。
年末で少し時間が出来ると、「あ、また行っておこう」と、ふと思える場所だ。
ずっと欲しかったZINE『暮らしは、言葉でできている』(著者の一人である谷川さんのサイン入りと、偶然面白そうと思って手に取った『戻れないけれど、生きるのだ 男らしさのゆくえ』(こちらも著者である清田隆之さんのサイン入りを購入してきた。ジェンダー研究を専門にしている方で、僕はAmazonでフォローしている。
立ち読みしていたら、なんか惹かれるなと思い、あとで調べたら、もともとフォローしている人だった。どんぴしゃだ。
住みたいかどうか、と聞かれるとちょっと微妙な感じはするけれど、でも必ず1年に1回は訪れたい場所、それが三鷹。
この街は変わらずに僕を受け入れてくれる気がする。