木曜日、

年末から聞き始めたポッドキャストで、「LOOM」というTBSラジオが運営しているポッドキャスト番組がある。LOOMという言葉の意味は、朧気に見えてくるという意味や、名詞だと織機という意味がある。
この番組名からも分かる通り、出演者が抽象的なトピックに対してざっくばらんに会話を紡いでいき、聞いている人の興味や関心が段々と朧気に露になっていくという、そんな感じがコンセプトらしい。
既に3回分放送が終わっていて、一貫して「無駄」というのがテーマになっていた。3回、それぞれ雑談をするペアが違っているのだけれど、僕は3回目の阿部裕介さんと、上出遼平さんの回が一番しっくり来た。
無駄という言葉を少し言い方を変えて、遊びという言葉で表現をしていた。車とか機械とかを製造する時に、意図的に作られるゆとりのことである。
もし遊びが利いていなければ、それは言い方を変えると柔軟性がないということになるので、衝撃や強い圧力が加わった時に壊れてしまう。
この遊びが人生においても重要で、人生における遊び=無駄と思える時間、という風に会話を進めていた。
とても腑に落ちた。
無駄、言い方を変えると、特別な目的を持たずに、特に成果も期待せずに時間をやり過ごすことだ。非生産的だと言えるかもしれない。仕事においては、無駄をなくせという風によく言われているけれど、たしかに効率よく仕事を終わらせて早く帰ることを目的とするのであれば、それは正しいだろう。
ただ、広告代理店とかで実践されているように、アイデアは無駄な会話=雑談から生まれることがほとんどである。雑談に関しては多くの本が出ているが、目的をもって行う雑談は雑談とは言えないと思う。
そうじゃなくて、「昨日、~があってさー」みたいな、ほんとに他愛のない話が雑談だと思う。
朝から晩まできっちりと予定を立てて、その通りにこなしていく。ここには無駄が一切ない。正しいかもしれないが、モノトーンな一日になってしまう。
旅を考えると分かりやすいかもしれない。事前にきっちりと計画を立てて、旅のしおりを作り予定通りに行動するのは無駄が一切ない。一方で、プランを特に立てずに、その場の行き当たりばったりで進めていくタイプ、これはうまくいけば無駄はないかもしれないけど、例えば観光しようと思っていた場所がお休みだったりして、やることがなくなってしまう、みたいなこともあるかもしれない。
ただ、どっちがよりしなやかであるか、と考えると後者だと思う。前者は、もし何か問題が発生した場合、簡単にポキっと折れてしまうくらい余裕がないのだ。
余裕がない状態からは、新しいアイデアやひらめきは生まれない。
だから仕事はもちろん、私生活においても無駄は必要なのだ。重要なことは目的を持って無駄を取り入れるのではなく、特に時間とか効率とかそういうのを気にしないで、時間を過ごしてみたり、好きなことをやってみたりすることだ。他人から見たら無駄な時間だなぁと思われるようなことでも、それがやりたいと思ったらやってみることだ。
今の僕は、ぎっちりと予定が埋まってしまっている。その方が楽だからだ。何をしようか、とか考えなくていいから。でもそれは、自分が本当に好きなことに気づくチャンスも失ってしまっている。
無駄って大事だ。