HONEST

猫好き・植物好き・ラジオ好きの齢32歳。日々の学びや気づきを、文章とイラストで自由に記録していきます。

2月16日 メディアに物申す

日曜日、

 

 

ネットで少しだけ話題になっている記事

「25年前に遡って調査指示、浦和高校の効果指導に埼玉県教育長」

news.yahoo.co.jp

このニュースを見た時、ちょっともやってしまった。主に理由は2つ。

 

まず前提として、伝統がある公立高校で、進学校の場合は、上級生が新入生に対して校歌や応援歌を指導するというのは、当たり前の光景だと思う。

埼玉県には、公立の男子校が数校あり、いずれも同じようなことは実施している。

浦和高校ではないが、僕はまさにその中の1つの出身だ。だから、ここで書かれていることが事実であることは保証できる。

僕が通っていた高校もほとんど同じで、入学式の翌日から地獄の1週間が始まる。

正門までの一本道に、應援團のメンバーが立っていて

「おい!1年は全員走れよ!おせぇよ!ふざけんなよ!」と罵倒される。急いで正門までダッシュして、挨拶を忘れようものなら、引っ張られて正門前まで戻される。

朝はこれで終わり。

6限終了のチャイムがなった瞬間に、應援團が各クラスに入ってきて、全員起立&校庭にダッシュで行くように指示。そしてそこから声が枯れるまで効果と応援歌の練習だ。

確かに、改めて当時のことを描写してみると、結構しんどい修行だったなとは思う。

ただ、もし本当にこれがまずいことなのであれば、まず近所の人が通報しているはずだ。そして、近くには幼稚園も、小学校も、中学校も、女子高も、他の私立高もある。校庭で学ランをぐちゃぐちゃにされながら、怒鳴られている異様な光景、学校の外から全力ダッシュで走らされる光景、これがまずいと思ったら、絶対通報しているはずだ。

しかし、どこのだれもそんなことしないのだ。それは、これが伝統であるし、入学生もこれを分かって入学してきているからだ。

そして、メディアはこの指導によって病んでしまった、という一面だけを報じているけれど、冒頭に書いたようにそこには描かれていなことが2つある。これが僕がもやってしまったことだ。

 

まず一つ目。毎回の校歌・応援歌練習の後の様子だ。ひとたびこの練習が終わると、應援團は、まるで二重人格なのではないか、というくらいに優しい人に変わる。

「ごめんね、大声出しちゃって」

「走らせちゃって申し訳ない」

口々にお詫びと労いの言葉を発するのだ。しかし、また翌朝になれば鬼の形相に変わっている。でも、こういう本当の彼らの姿を知っているから、新入生もそういうものとして受け入れられるのだ。

そしてもう一つ。それは、新入生を脅す役をやっている應援團こそが、実は一番厳しい指導を受けているということ。

僕が通っていた埼玉県立の男子校では、夏休みに10回は救急車が来ていた。これは本当の話。声が枯れるまで大声で練習し、灼熱の炎天下の中でバケツをもってずっと外で立っている。とにかく怖い顔にならなければいけないから、常に眉間に皺を寄せていて神経が麻痺してしまう。

僕は吹奏楽部で、應援團と吹奏楽部は、野球応援で毎回一緒になり、応援のタイミングだけではなく、その裏で何が起きているのか全部見てきた。

だから本当に本当に「ご苦労様です、、、」と毎回思っていた。

そう、應援団員がもっとも過酷な指導を乗り越えてきているから、だから在校生は彼らに頭が上がらないのである。

そしてこの1週間を乗り越えると、應援團との関係性だけでなく、クラスメイトみんなが仲良くなるのだ。一緒に苦難を乗り越えた仲、というわけだ。入学して5日間でこんなに仲良くなるなんて、普通はないと思う。地味なメンバーも、一軍みたいなメンバーもみんな関係なく仲良くなる。一応進学校だったから、県内色々なところから生徒が来ていて、中学校が一緒の人は少ない状況。でもこの5日間で、もう何も恐れるものがなくなる状態なのだ。

 

こういう所までちゃんと取材をしたうえで、冒頭紹介したような記事は紹介されるべきだと思う。

一回、應援團に今からでも指導されてこい、この野郎

 

おっと、口が滑ったけど、薄い取材で金もらって食う飯ほどまずいってことくらい、分かって仕事してほしい。