火曜日、
先日このブログで、歯の治療を始めたことを書いた。
あれから約3週間。
深刻化している虫歯の治療、事前の歯の検査、歯周病検査。色々とこなしてきた。そしてついにこの日がやってきたのだ。
抜歯、である。
先述の通り、カンボジア在住時代に、取れた銀歯を放置していたことが主要因となり、その歯はもちろん、周辺の歯までひどい虫歯になってしまった。そして、さらにそれを放置したことによって、もう抜歯するしか選択肢がなくなってしまったのである。
合計で4本だ。右奥歯3本、左奥歯1本。
さらに、もしかすると親知らずを抜いたほうがいいかもしれない、とのことで、上下の親知らずも合わせると、えっと、何本?8本?
さすがに今日すべて抜いたら、顔面麻痺になってしまうのではないか、とのことで今日は右側だけ、その中で絶対に抜かなきゃいけないもの3本を抜いた。
施術中、時折ズキンズキンする場面や、ガリガリする場面はあったが、まあそういうものだろうと思ってやりすごした。
だいたい30分くらいだろうか。無事に終了した。今後、もう幾つかのラウンドが残っていることを考えると、ちょっと気が滅入る。
終わった後で、歯科助手の方から一言。
「ごめんなさいね、顔面血だらけなので、はいこれ。蒸しタオル。これで拭いちゃってくださいね」
え、顔面血だらけ?たしかに、拭いたタオルを見ると、赤、赤、赤。。。。
ああ、これはまずい。
ただ、その時はまだ麻酔がガンガンに利いていて、横になっている段階だったから大丈夫だった。
処置室から出るとき、先生が色々と話してくれた。
最後、身なりを整えてお礼を言おうと思い、先生の方を振り返った時、
先生の右側にあった台、その台の上に載っているものを見て、立ち眩みを起こしてしまった。
そう、私の抜けた歯である。しかも、血だらけだ。それも尋常ではない、というか3本の歯を砕いて抜いたこともあって、10個くらいの血の塊が置かれている。色は、赤ではなく、黒赤光している感じだ。
ああ、今書いている間もちょっとクラクラしてきた。
僕がどうしても克服できないもの。それは「血」なのだ。
学生のころ、本当にたくさんのケガをした。大したケガではないのに、血が大量に出ると、もう授業どころではない。
冬の乾燥している時期、段ボールでぱっくりと切ってしまい、血が大量に出たりすると、その日はもうおしまいだ。
実は、この性質のせいで、僕は将来の夢をあきらめた。
ずっと動物のお医者さんになりたいと思っていたのだ。
道路で倒れてた猫も拾ってきちゃうし、
ほぼ瀕死だったスズメも持ってきちゃうし、
雨戸の中でぐったりしてた蝙蝠も家の中に入れちゃうし、
とにかく弱っている動物がほおっておけなかった。
でも、血が見られないということで諦めた。
これまで多くのことを克服してきたけれど、どうしても克服できないもの。
それが「血」である。
獣医さんをはじめ、歯医者といい、外科医といい、医者って本当に尊敬する。
みなさんの、絶対に克服できないものは、なんですか?