土曜日、

今働いている会社は、人の出入りが非常に激しい会社だ。
きっとネームバリューがあるからだろう。
退職者も多いが、同時に転職で入ってくる人も非常に多い。つい1年前くらいまでは、会社の業績があまり良くなかったから、中途採用を停止していた。ただ、最近はまた再開をしている。
それには分けがある。
一気に退職者が出ているからだ。
季節的な要因もあるだろう。賞与が出る6月までは在籍し、7月から新しいところで。このパターンが多い。ちょっと出遅れたとしても、7月末まで在籍して8月から次の所で、みたいな人も結構いる。ちなみに僕も、今の会社に転職してきた時、このケースを使った。
でも実は、年明けからこの波は少しずつ生まれ始めていて、あれよあれよと、これから部署を担っていくであろう人たちが退職してしまっているのである。
全社的に見た時に、僕が所属している部署は比較的これまでは安定していたのだが、それが崩れ始めたのだ。
どうにかしないといけない
部署の管理職たちは考えたのだろう。
7月から立て続けに会議が増やされたのだ。
組織運営会議、シニアクラスとの1on1、プロジェクトの進捗会議、2週に1回だったものが毎週に変更・・・。
どうやら、マイクロマネジメントが必要だと思ったらしい。
確かにそういう考え方もあるかもしれない。組織の上層メンバーと顔を合わせる機会が増えれば、変化にいち早く気づけるかもしれない。そして、悩みを聞いて退職を食い止められるかもしれない。
でも、もう悩みが態度や行動に出てしまっている時は、多くのケースでほぼ転職が決まっている時だと思う(たまに、休職の場合もあるけれど)。
だから僕は思う。そうじゃないんだよなぁと。
うちの会社は、圧倒的トップダウンの会社だ。創業者がまだ存命ということが大きいだろう。
トップが右向けと言えば右に向く、左向けと言えば左を向くのだ。
そして、法的にギリギリのことでも、トップがやれと言えばやってしまう人が昇進していく世界なのである。
もちろん、社長の指示に対して、一部署の責任者レベルが逆らうことはできない。でも、上からの指示だから、という伝え方だけで、それを部下たちにも流してしまうのは違うと思う。
そんな状態でマイクロマネジメントされたら、もっとやる気がそがれてしまうだろう。
そうじゃなくて、求めているのは、寄り添いなんだと思う。
もちろん、管理職以上は皆忙しいから余裕がないことは百も承知だ。
でも、ちょっとでも寄り添いの気持ちがあれば、もう少し変わるのになぁと思う。
会社の体質として、性悪説が蔓延っている。
本当はフレックス勤務さえなくしたい、というのが経営者の方針らしい。
基本、在宅勤務は全員さぼっていると思われている。静かな環境の方が集中できる人がいることも事実なのに。
組合みたいな組織がないことも、問題なのかもしれない。
こういう会社の体質に加えて、チームの組織も崩れ始めていたり、仕事に遣り甲斐がなかったりして、次々と人が去っているのだ。
もう一度書くが、こういう状況で、会議を増やして、監視の機会を多くしても、何にもならない、むしろ現場からは拒否反応が生まれているということが、分からないようだ。
人が長く働く、育つ会社って、本当にすごいのだなぁと改めて思う今日この頃である。